概要
河童の物語を愛するすべての人たちへ
村人の喜兵衛が河童にきゅうりを配ったら、無理やり甲羅を着せられてしまった。どうやっても甲羅を脱ぐことができなくて、ひどく落ち込んでいると、噂が広がり、殿様の城に呼ばれることになった。喜兵衛は殿様に褒美をもらって大喜びしたが、結局は、その甲羅のせいで山賊に殺されてしまう。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!きゅうりが織りなすひとりの男の悲喜劇
曰く付きのきゅうり商いで小銭を稼いでいた喜兵衛は、道中で山賊に襲われる。そんな彼を救い出したのは、お話の中の存在と思い込んでいた河童だった。彼らにきゅうりを差し出した喜兵衛だが、与えられた礼は脱ぐことのできない河童の甲羅。大いに嘆いた喜兵衛だが、話はよい方向へ転じ、ついには殿様のお召しを受けて……
河童を軸に置いたこのお話、構成が本当にすばらしいのです。冒頭に結末を置いて読者の目を引っかけておいて、章ごとにお話を転じて見どころを提供、最後はビターに締める。それだけでも感心するよりないのですが、きゅうりがマクガフィンとして全編に渡って機能し続けているのがまた絶妙なのですよねぇ。
そし…続きを読む