概要
臆病、小心を武器に天下を取った秀吉のドタバタ・コメディ劇
天正二年、秀吉(羽柴藤吉郎秀吉)は、主君の織田信長から北近江の領地をさずかり、長浜に城を築いた。ここから秀吉の出世物語がスタートする。しかし、秀吉自体はわずか五尺(およそ150センチ)にも満たぬ小男で、個としての戦闘能力は無きに等しい。しかも、この男は極端な小心、臆病者であった。この物語は、自分のコンプレックスを最大の武器にに、天下人へとのし上がっていく男の滑稽譚である。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!お楽しみ!太閤記♥
まさに天衣無縫!自由奔放!場外乱闘!支離滅裂!無法天に通ず!
こんな自由すぎる戦国史、未だかつて見た事はありません。まるで漫画の世界を逆に文章化したような、そんな無茶苦茶な戦国です。
とはいえ、太閤記に題材をとって秀吉をメインにしたのはなかなか当たっています。鬼のように恐いゴッドファーザー信長、したたかに立ち回るケチたぬき家康、そして、威勢だけはいいが、臆病でずる賢く、ケチでスケベな猿、見事なキャラクターのコントラストが活きています。
それが歴史的な史実かどうかはともかく、読者の思い描く勝手なイメージが、見事につぼはまりしています。
こんな作品、私も書きたかった。先にやられちゃってい…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「ヒエーッ」の場面続出? こんな歴史小説、初めて見た!(※褒めてます)
太閤秀吉といえば、この国を代表する英雄であり、いろいろとディスられることはあるものの、やはり「タダ者ではない」空気を持つ男として描かれることが多い人物である……。
が。
この物語では、「タダ者」として、秀吉を描いています。
しかもその「タダ者っぷり」がタダ者じゃありません(何だこの言い方は……)。
まずタグに『「ヒエーッ」の場面続出』とあるとおり、この秀吉、すぐに腰を抜かす、卑屈になる、その上、せこくてズルくて女に目がない……あれっ、史実と同……いえ、何でもありません。
こんな秀吉で天下を取らせるまで書いているのがスゴい(褒めてます)。
コメディ小説としても一級で、歴史を好きじゃない…続きを読む