第8話 中止か延期
1年延期すれば万事上手く行くと思っていたのに、新型コロナウイルスの猛威は去るどころか、ますます強まるばかり。2020年から2021年になる年末年始、これまでになく感染が拡大した。そうなると、オリンピックの中止か延期を求める声が大きくなってきた。世論調査では半々と言った所だが、反対論は声が大きくなりがちだ。
確かに、医療の逼迫の懸念はある。医療従事者がすごく大変そうだ。こんな世の中なのにオリンピックどころじゃないだろうという意見も分かる。だが、オリンピックやパラリンピックは希望の光だ。旅行も出来ず、外食さえ出来ず、楽しみがなくなってしまった人々にも、感動のドラマを与えてくれるに違いない。
いやいや、本音を言えば、とにかく俺はボランティア活動をしたい。オリンピックがなくなってしまったら、俺は何を目標に生きていけばいいのか分からない、と今は思っている。理屈ではない。感情的にオリンピックを中止にして欲しくない。そして、延期はおそらく無理だろう。1年延期しただけでもお金が余計にかかってしまっているのだ。潤沢だと思われていた東京都の財政も、オリンピック費用とコロナ対策でかなり厳しいという話だ。選手村だって、パラリンピックの後にマンションとして一般の人に販売される事になっていたのに、1年延期になって困っている人もいたのだ。それをもう1年というのはどう考えてもありえない。そして、ほんの少し延期しようとしても、感染状況が好転しているとも限らない。
オリンピック反対のデモの話などを聞くと、非常に嫌な気持ちになった。もやもやする。不安な気持ちを吐き出したいが、身近にフィールドキャストをやるという人の話を聞いた事はない。この香川に俺以外のフィールドキャストがいるのだろうか。しかし、独りで抱えているのは辛い。そこで、インターネットの世界で仲間を探す事にした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます