第9話 来年も・・・

「なあ、お正月、4人で初詣行かね?」と、志伸。


「いや、それよりもカウントダウンの勢いのまま初詣っでっしょ?」


と、将斗。




「…カウントダウン…って…」と、智香。


「…女子にしてみれば…寒いよ…」と、私。




「え〰️〰️〰️〰️っ!!」


志伸と将斗同時の声。




「なあ!聞いた?」と、志伸。


「聞いたも何も、コイツら文句垂れてるよ!」と、将斗。


「…だって…」と私。


「嫌なものは嫌だってば!」と、智香。




私達は騒ぐ。




そして─────





「5ーーーっ!」




「4ーーーっ!」




「3ーーーっ!」




「2ーーーっ!」





「1ーーーっ!」









「A HAPPY NEW YEARーーーっ!」











私達4人は、カウントダウンに行き、その後、流れで初詣に行き、初日の出を見に行くつもりでオールナイトで騒いでいた。





それから数ヶ月が過ぎ─────



私達は高校2年生になる。





春。4月。高校2年。





「ねえ、ねえ。クラスどうなるかな?」

「知るかよ!」


「やっぱ幼なじみっつー事で腐れ縁てやつ?もしくは、そんなの関係なく離れ離れの学校生活?」


「さあな!」


「やっぱり行ってみなきゃ分からないよね?」

「そうだな」



「…ねえ…志伸…」



私は足を止め桜の木を眺めながら



「何?」

「来年も春も桜…見れたら良いね」

「はあっ!?まだ一年先の話しじゃん」

「一年先と言っても、あっという間だよ」

「えっ?」

「…だって…」




私は志伸を見る私。




「4つしかないじゃん?春・夏・秋・冬・例え12ヶ月の年月はあっても季節は4つ」


「…そうだな」




私達は学校に向かうのだった。




「腐れ縁って良いものじゃなーーーい!」

「仕方ないだろ?」


「しかもさ何?幼なじみだからクラス委員を押し付けるのって…みんなが悪魔に見えた!」


「…悪魔って…第一、自ら志願してクラス委員やる奴いねーだろ?」


「幼なじみだからってやらなきゃいけないなんて権利はない!」


「いや…ある意味クラス委員になっているうちらって権利あるかも…?」


「ないから!否定して!」




私達は騒ぎつつ色々話をしながら帰るのだった。





ある日の放課後────




担任の先生から雑用を頼まれ志伸と放課後残っていた。



「ねえ、志伸ってファーストキスっていつ?」

「は?唐突じゃね?」

「良いじゃん!ねえ!いつ?」

「お前は?」

「私?いや…逆質問するかな?」


「お前が教えるなら答えてやるよ」

「…えっ…?」

「で?いつ?」


「…私は…今までが今までだったし…正直…志伸が…ファーストキスで…」


「へえー、そうなんだ」

「志伸は?」

「何が?」


「何がって…ちょっと!私だけ答えて志伸は答えないのは反則だよ!」


「知らねー」




私は志伸の片頬をつねる。




「…いてーよ…」

「吐け!」

「ウェー」

「違うし!」

「お前が吐けって言うから」

「ファーストキス!答えろ!」

「忘れた!」




その時だ。





「ごめんねー。ありがとう」




担任の先生が教室を訪れた。




「あら?久稜君、かっこいい顔が台無しね」

「そうでしょう?幼なじみだからって容赦ないから」


「だって!志伸が悪い!先生!聞いて下さいよ!この人、私の質問に逆質問してきて私にばかり答えさせて答えてくれないんですよ!」


「あら?それは久稜君ルール違反よ」

「そうですよね?」



私達は騒ぐ中、少しして教室を後に帰るのだった。





「なあ、教えてやろうか?」

「何を?」

「ファーストキスの相手」

「もう!良いし!」

「またまた~本当は聞きたいくせに~」

「結構です!」



グイッ


腕をつかまれた。


ドキッ



「な…」




ドキッ


キスされた。




「………………」



「機嫌直せよ…ファーストキスはお前なんだよ」




ドキン

至近距離で言われ視線がぶつかる。



そして、すぐに離れると歩き始める。



「あっ!ちょ、ちょっと!待っ…写真の人じゃなかったの?」

「違うし!彼女には片想いしていたけど彼氏いたって言ったろ?」

「まあ…その割りには…あんなエロいキス…」

「…エロいキスって…」

「…だって…」


「して欲しいの?」

「ち、違…」

「なーんだ」


「なーんだって…私達は、ただの幼なじみだし私の唇を、あんたの欲求を満た…」




頭をポンとされた。



ドキッ




「幼なじみだから許せ!」

「何?その理由!」

「他に何の言い方があるんだよ!」

「…それは…」

「俺達は2人で1つ!仲良くしようぜ!ゆ・う・か・!」




私達は騒ぎながら帰る。




ただの幼なじみ


2人で肩を並べて登下校したりして


馬鹿しあって過ごす


友達以上恋人未満


だけど


幼なじみという絆を保ちながら


お互いを何処か必要している




恋愛とは想いを伝える事が大切で




でも




その一歩が踏み出せなくて


勇気なくて


ピリオド ─ 終止符 ─ を 打ってしまう


片想いというピリオド(終止符)を打つには


自分の想いに正直になる事


例え 結果が どうであっても


片想いから1歩踏み出し


片想いのエリアを抜け出して


違う世界を歩んでみる


だって そのまま立ち止まったままじゃ


何も始まらないし


何も変わらない




だけど───



想い伝えて 何も変わらなくても


自分の想い 心の窓は


きっと スッキリすると思うから


その時は


成長した自分になれると思うから





















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