ずっと傍にいて・・・

ハル

第1話 いざ、海外へ・・・

「志伸(しのぶ)。向こうに行っても頑張れよ!」

「サンキュー!」



今日は、幼なじみの久稜 志伸(くりょうしのぶ)を見送っている。

私達には私含め4人の幼なじみがいる。



私、深沢 優華(ふかざわ ゆうか)。13歳。


赤 将斗(せき まさと)。13歳。


実木 智香(みき ともか)。13歳。


そして、今、見送られている。久稜志伸。13歳。




「じゃあな!みんな!」

「ああ、元気でな!」

「元気で」

「ああ」

「志伸、外国人の彼女出来たら俺にも紹介して♪」

「あのなー、俺は遊びに行くわけじゃねーから」



《志伸…モテるんだろうな…》



私達は別れ海外に発つ志伸を見送るのだった。


そんな私は、一つだけ心残りな事がある。




「優華、良かったの?」


智香が尋ねた。



「何が?」

「気持ち伝えなくて」

「…いいよ…。別に」





──── そう────




────私は志伸が好き───






「えっ?何?何?優華、志伸の事、好きだったって事?」


将斗が聞いてきた。



「…あ…うん…だったじゃなくて…好き…かな…?」


「あーあ、気持ち伝えれば良かったのに。絶っ対!後悔するって!アイツ、いつ帰って来るか分かんねーのに。あ!まだ今からなら追いかけたら間に合うかもしれないぜ!そして、告って私も一緒に連れて行って!って言ってみたら?」


「あのねーー!そんな簡単なものじゃないから!」




智香が将斗に突っ込みをいれる。



私は、その光景を見ながら笑い、ふと振り返る視線の先には既に志伸の姿はなく、



《…志伸…》





✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕



~ shinobu side ~



「優華…またな…」





今日まで


みんなと過ごしてきた13年間


そんな俺は


彼女…優華が好きだった……


だったなんて過去形じゃなくて


現在進行形だ


離れたくもないし


アイツの傍にいたかったけど


海外に行きたいという思いで


日本を発つ事にした


いずれ帰る予定にしているけど


もし……


海外が居心地良かったら


戻る事はないだろう……



だけど俺は


いつか必ず


戻ってくる!




そう 決めて日本を発ったのだから───






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