第2話 再会


~ shinobu side ~



数年後、俺は海外から帰国してきた。


別に海外がつまらなかったとかじゃない。


自分が日本に戻ろうと決めたからだ。




「久し振りに戻って来た日本!!なんか面白い事…ナンパでもすっかな?だけど、そんな事したら変な人扱いされるか?警察沙汰になるよなじゃあ…無難な方法で……Hey! you!」



ビクッ

突然、私に声がかかった。



《えっ?えっ!?ちょ、ちょ、ちょっと待って!》

《英語、無理!無理!》



「No!No!No!英語話せません!無、無、無理ですっ!!」


私は振り返るも、目を閉じて両手で何回もバイバイするような仕草で断る素振りを見せる。



「What?」


「だから!英語は無理です!道案内とかなら警察か他の人に当たって下さい!」



私は足早に逃げるようにして去り始める。




「そうか!じゃあ仕方がないか…」

「えっ!?」



「………………」



《日本語?は?待って明らかに日本語…》



私はバッと振り返る。




「いや~久し振りの日本だから、ちょっとテンション上がっちゃって~イタズラしてみたくなったんだよね~」


「何それ!良い迷惑です!最っ低!大体、あなたの気紛れな気分で振り回され……」


「…優華…?」


「はい?」



言い終える前に私の名前を呼ばれたかと思うと、



「彼女」



私に声をかける別の声。

振り返る視線の先には2人の男の人。




「はい?」

「何してんの?一人?」

「えっ?あ、はい…あ、でも、今、それ所じゃなくて…」




グイッと私の肩を抱き寄せられた。




《…えっ…?》



「彼女のフリして!俺に任せな!」



ドキッ


私の耳元で言われた。




「ごめん!彼女、俺の連れでさ~今からデート!俺がちょっと遅れちゃって」


「あ、そ、そうなんだ…」

「悪い。お邪魔しました」



去って行く2人。


パッと離す。



「野郎2人に女1人って…何考えてんだか…なあ」


私に問いかけた。



「そ、そうですね…」


目をそらす。



《ヤバイ…》



私は慣れない出来事に胸がざわつく。





「…つーか…お前も声掛けられるんだな?」




その一言に私は再び火が着いた。



「ちょ、ちょっと!失礼な人!初対面のクセに英語でナンパみたいな事してきて…」


「いやいや、初対面じゃねーし!」


「はああぁっ!?初対面じゃないって明らかに初対面…」




私の片頬を、摘ままれた。



「……!!」


「深沢優華。15歳。赤 将斗、実木智香。2人の幼なじみがいる。そして、数年前に海外に行った幼なじみがいる」




パッと離す。



「…こわっ!!やだ!あなた何者?気持ち悪っ!警察…」




携帯を取り出す私の手を掴む。



ドキッ


「幼なじみの俺を犯罪者扱いすんの辞めろよ!バカ優華」

「なっ…!さっきからマジムカつく!!大体…」



すると、男の人は色々と語りだした。



「……!!!!!」



幼なじみの間でしか知らない事や、海外に行った久稜志伸と私しか知らない話の内容を─────



「…本当に…志伸……?」


「だーかーらー!さっきから言ってんだろ!!いい加減途中で気付けよ!バーーーカ!」


「う、うるさいな!」


「世の中の世間の人が、お前の恥ずかしい赤裸々暴露本でも出されるんじゃ?」


「せ、赤裸々暴露本って……全回収してやるから!」


「別に有名人になって良いんじゃね?」


「そんな恥ずかしいエピソードで有名人になる気ないから!」


「今からサインでももらっとこかな?」


「あのねーー!」




志伸はクスクス笑う。




本当に志伸なんだよね?


今 目の前にいるのは


幼なじみで数年前に海外に行った


あの志伸なんだよね?




志伸はカッコ良くなって帰ってきた。


きっと彼女もいたりして



モテモテで────




その後、私は2人を呼び出し4人で会う事にした。








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