第19話 フレンドデート

久しぶりに4人で再会。

飲んで、騒いで、盛り上がる。



その日の帰り、2人と別れ志伸と2人で帰っている時の事だった。





「なあ、今度、出掛けね?」

「うん楽しそうだね?4人だったら更に倍だね?」

「お前アイツらと一緒が良いの?」


「えっ?いや、良いとか悪いとかじゃないけど…志伸は、どうしたいの?」


「いや…アイツら付き合ってるし結局、別行動なら誘わない方が良い気もするけど…」


「あー…そうだね」




将斗と智香は、私が引っ越ししてからしばらくして付き合い始めた。


色々と相談したりしていくうちに惹かれ始めて付き合う事になったらしくて────


一応、2人には聞いた結果、私達だけで行く事となった。




そして、志伸の運転でまさかのドライブデート────




「なあ、お前あれから合コン参加した?」

「してないよ。志伸は?」

「したした」

「イイ女(ひと)いた?」

「いねーな」

「そうか」

「つーか、いたら、こうして出掛けねーし!」


「あっ!それもそうだよね」

「ところで、お前彼氏欲しいの?」

「…どうかな…?志伸は…?」


「俺?俺は、どうかな?恋愛に悩むのもな~って…思うし。どちらかと言うと、お前と馬鹿しあったりしてる方が楽しいかもと思ったりして」


「じゃあ!私達付き合っちゃう?」

「おいっ!」

「なーんて。簡単なものじゃないよね…?」

「…まあ…でも、ない訳じゃねーし。予約しとく?」

「予約しなくても幼なじみだからチャンスはあるでしょう?」


「…チャンス…?あると思うか?」

「えっ…?」

「学生とは違うから」


「…それも、そうだよね…タイミング逃したら、ふりだしに戻っちゃうよね?…私…志伸がアメリカに行く時、本当は好きだったんだ」


「へぇー、そうだったんだ」


「だけど告白してうまくいったら遠距離になるわけだし、多分…いや…絶対耐えれなかっただろうな~って…今思えば想い伝えないで良かったかな?って…」


「…お前が…俺をねぇ~…意外」

「そ、それは意外だろうね!」




私達は騒ぐ中


1日を楽しんだ。



「ごめん。今日はありがとう」

「いいえ。俺こそ付き合わせて悪かったな」

「ううん。また機会があったら」

「機会があ、っ、た、ら、な」

「あったらを強調するな!」

「事実だろう?」

「…それは…」

「じゃあな」

「うん…またね」



私達は別れ帰って行く志伸の車を見送り私も帰り始める。




♪♪♪~…


『また、出掛けような』

『何かあったら連絡しろよ』



♪♪~…


『ありがとう』




「志伸らしい。結局、私達は相変わらずな関係だよね」




ある日の事だった。



「優華ちゃん」

「あっ!お疲れ様です。伸悟さん」

「優華ちゃん、ちょっと時間良いかな?」

「は、はい」

「実はさ…言いにくいんだけど…俺と付き合わない?」

「えっ!?」

「実は…初めて会った時から好きで」



「………………」


「ゆっくりでいいから」



私は一先ず付き合ってみる事にした。


出掛けたりして、日に日に想いを募らせ本気で付き合おうとしたその時、私は伸悟さんのマンションの近くに行った時────




「パーパー」



男の子の声が聞こえた。




視線の先には



「えっ…?…嘘…どういう…事…?」



伸悟さんの姿があった。



「久しぶりだから凄く喜んでるわ」



奥さんと思われる女の人が伸悟さんに歩み寄る。




そして少し話をして車で出掛ける休日の家族の姿があった。





その日の夜────




【もしもし?】と、電話口から聞こえる声。



【志伸…?…今…大丈夫…かな…?】


【今?…悪い、今はちょっと…急用?】


【あ!ううん…大した事じゃないんだけど…】


【そうか?】


【うん…】



その時だ。






「志伸くーん」



女の人の声が聞こえてきた。

ズキン



「あ…そういう事か…ごめん!切るね!」



私は電話を慌てて切った。




「あ!おいっ!…アイツ…何かあった…?つーか、明らかに誤解したよな」


「志伸くーん」

「彼女に電話か?」

「いや…彼女じゃないです」

「またまた~」

「あー、先輩、飲み過ぎですよ~」



俺は上司や職場の人達と男女問わず集まって飲んでいた。


アイツは、きっと誤解しただろうと、すぐに分かった。



















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