第3話 妹とデート①
土曜日になり、奏とのお出かけだ。
「お兄ちゃん、あまり聞きたくはないんだけどいくら持った?」
「7000円。」
「お兄ちゃん....」
「な、なんだよ」
「オシャレって知ってる?」
「もちろん知ってるよ」
「多分それは異世界のオシャレだから知らないと思った方がいいよ」
「わ、わかった」
「ちなみに部屋にはまだお金あるの?」
「15000円くらいある。」
「全部持ってきて」
「え?」
「いいから持ってきて!」
「はい。分かりました。」
(まぁ10000くらいで大丈夫だろう)
こんなやり取りをした後家を出た。
「お兄ちゃんのバイクに乗るの初めてだ〜♪」
「確かに。俺も乗るのは5、6回目くらいだ。」
「大丈夫なの?」
「もちろん」
「わかった。ところでどこ行く気なの?」
「あの○×ショッピングモール」
「りょーかーい」
着いて俺はさっそく安くて品質のいいシロクロ衣料店入ろうとすると奏に襟をつかまれた。
「なんだよ」
「それは奏のセリフ」
「どういうことだよ」
「なんで分からないのかなー。確かにシロクロはオシャレで安いけどさシロクロだといつも通りじゃん」
「まぁ確かに」
「ティーゼルとか行ってみない?」
「えっ!高くない?」
「オシャレしたいんでしょ」
「わかった」
俺達はティーゼルに行っていろいろ試着してみることにした。
「奏、これはどうだ」
「なんか違う。お兄ちゃんは顔は良くても中の中から中の上なんだからカッコイイ服じゃなくて似合う服を買わないと」
「なるほど」
(正直ためになる。なんとも言えない部分はあるけど一緒に来て良かったな)
「こんなのどう?」
「地味じゃない?」
「だからそうゆうのでいいの」
「わかりました」
俺たちは何着か試着してお会計に向かった。
「20000円でございます。」
「このクーポン使えますか」
「お使いになれます。」
「じゃあ使います。」
「はい。ではクーポン分を引いて、18000円になります。」
「・・・」
「お兄ちゃん?」
「・・・」
「奏、相談があるんだけど1000円だけ貸して下さい」
「お兄ちゃん、ほんとうに?」
「いや、あのさ、そのーさ、ね」
「お兄ちゃん………ハァー。アイス1個じゃ足りないなー」
「わかった。俺にできることなら何でもする。から頼む」
(店員さんもニコニコして何を考えてるのか分からねー。早くしろって思ってんのか?仲慎ましい兄妹で和んでんのか?どちらにしろ早くこの場を抜けたい)
俺は奏からお金を借りてお会計を済ませた。
お店を出てお昼ご飯がてらフードコートで休むことになった。
奏はずっと無言だし
「あのー奏さん」
「……」
「奏」
「なんで?なんで追加で10000円しか持ってこなかったの?」
「ごめんなさい。正直そんなにいらないだろうと思って置いて来ました。」
「なるほどね。わかった?これがオシャレなの。しかも今回はクーポンを使ってこの値段なんだから本来はもっと高いの!そんなんで本当に彼氏できるの?」
「カップルじゃないんだけど」
「口答えしない!」
「はい。」
(今回は俺が悪いな)
「もうこの話はおしまいでいいから次は奏に付き合ってね」
「わかった。」
(また荷物持ちとかさせられるんだろうなー。
重いし結構きついんだよ。まぁ今回は俺が悪いし黙って付き合うか)
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