第29話 栞さん呼びになってるし
栞さんの家で勉強をしてから1日挟み月曜日になった。テスト当日ということもあり、クラスの雰囲気がざわついている。
俺も正直落ち着かないが栞さんと千冬さ……栞さんのお母さんのおかげでいつもより自信がある。
栞さんは隣で参考書を読んでいる。
「栞さん、土曜日はありがとね。おかけでいつもより自信があるよ」
「どういたしまして。でも罰ゲームは忘れてないよね」
「覚えてたのか」
「もちろん!でもお互いに罰ゲームになったらお互い言うことを聞いてもらうで良いわよね」
「うん。ちなみにお願いで罰ゲームを無しにしてもらうのは有り?」
「なーし」
「は、はい」
それから2日間のテストが終わった。
今回のテストはかなり良かったと思う。
脳の動きに腕が追いつかないくらいだった。
翌日の授業はほとんどがテスト返しになる。
一限目は数学1。とりあえずはそれなりにできる教科だ。
「よし!じゃあ返すぞー。出席番号順に取りに来てくれ」
それから一通り返し終わり、「どうだった?」や「俺の勝ちー」など色々と感想が聞こえてくる。
「久保くんはどうだった?」
「俺はまぁいつも通りだよ」
俺の点数はた78点。中学時代から常にこの辺りにいる。
「そういう栞さんは…どうせ90点以上でしょ」
「うん」
「さすがだな」
「数1は2人ともセーフだね」
「待って!その言い方は1つの科目に対して1つの言うことを聞くってこと?」
「えっ、そのつもりだったんだけど」
「わかった。いいよ」
「じゃあ2限目も楽しみにしてるね」
「次は…英語かぁ。終わった」
「まぁドンマイ」
「次からは言わないで、全部返されたらお互いに言おう」
「うん」
「……最後に、学年最高得点者は柴田。平均点は59点だ。次は頑張れよ」
それから休み時間に入り、すぐに2限目、そして3限目。それから全教科全科目が数日かけて帰ってきた。
「点数言う?」
「うーん、ここだと人も多いし、明日の午後にまたうちに来てくれる?午前だと部活があって」
「え、あ〜うん。いいよ」
「じゃあまた後で連絡するね」
「おけ」
栞さんが行ってしまった。それと入れ替わるように圭と若宮が来た。
「なんだよ」
「いやー、随分仲良くなってんなーと思っちゃって」
「しかも呼び方も栞さん呼びになってるしな」
「まじかよ。無意識だわ」
「しかも明日は家に行くんだな」
「まぁ色々あってな」
「さらに、また。だしな」
「実は前にも行ったんよ」
「そうか。一応伝えとくけど、お前ら噂になってんぞ。さらには男子から睨まれてるし」
「ほんとに?」
「うん。私の告白を降る時に「好きな人がいる」って言ってたでしょ。だからクラスのみんなは君に好きな人がいることは知ってるし」
「しかも柴田さんはこの入学してからの1ヶ月間を見る限り異性とは深い仲になろうとしてなかったし。それが何度もお前だけは家に呼んで」
「私に告られて、栞ちゃんと仲良くなって……」
「あ〜やばいな」
「ちなみに男子の好感度は今どうなってる?」
「確かに確認すると基本は20だ。低い」
「やっぱりか。早く付き合えよ。そして公表しろ」
「玉砕でいいから早く告白しなよ。そして私のところに来なよ」
「はぁ、玉砕前提なのはなんとも言えないが、できれば明日中には何とかしたいと思ってるよ」
「おっ!」「頑張れよ」
「ちな、結果の報告は⋯⋯」
「もちろんしてもらうわ」
「は?当然のようにしろよ」
「へーい」
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