第10話 若宮まゆか
「おッス圭」
「おはよう航大、ところでお前はなんて返事したんだ」
「返事?なんのこと」
「お前まじかよ、若宮のことだよ」
「やば!完全に忘れてた」
「マジかよ。じゃあ質問変えるけどお前はなんて返事する」
「俺は……」
言おうどしたとき、若宮さんが俺たちのところに来て
「私は久保くんのことが好き!私と付き合ってよ!」
「……」
俺は固まってしまった
あまりに大声だったためクラス全員が静まりかえった
視線痛すぎ
「昨日LINESしたのに既読すらつけてくれなかったから直接言いにきたの」
どうしていいか分からず、頭上をみた
(好感度は100か、嘘じゃないんだな)
「えっと……」
「まって!」
言おうとした途端遮られてしまった。
「どうせ断られると思ってたから返事は今じゃなくていい、その代わり私はいつでも言うから」
若宮さんはそのまま自分の席に座った
クラス中に沈黙がはしった
「……おい!くぼー!てめぇ調子乗んなよ」
沈黙を破ったのは、陽キャの副リーダー的なやつだ
「は?」
好感度は10とかなり低い
「まゆかが本当に好きになるはずないだろ、どうせ罰ゲームとかだからな。勘違いすんなよ!」
「だといいんだけど」
軽く受け流した。それで終わりだと思ったが
「変なこと言わないでくれる!」
若宮さんがキレた
「私は本気で久保くんが好きなの。」
「こいつのどこがいいんだよ!こいつは特に秀でたところのないつまらないやつだろ」
「久保くんはあなたと違って傲慢じゃないし、人がやりたがらないことを率先してやってくれてるの」
「こいつが?そんなのしてるの見た事ないぞ」
「例えば、ごみすて」
「んなの先生だろ」
「違うよ久保くんだよ」
うわぁー最悪の展開だ。
周りに気づかれたくないからこっそり行動してるのに、しかも隣の柴田さんがめちゃくちゃ睨んでくる
「おーい静かに席に……なんだ、お前ら珍しく静かだな」
事情を知らない先生が驚いている
「まぁいい心がけだ。ホームルームを始める。日直」
今日の日直誰だっけ
「久保、お前だぞ。日誌も取りに来ないし」
「マジすか。…… 起立、礼」
「「「「おはようございます」」」」
そのまま普通にホームルームは続いて欲しかったが
「ねぇ、さっきの若宮さんが昨日のうちにLINESで告白したって言ってたけど本当なの」
やっぱり話しかけられた。
「あっ……ほんと」
「そう……」
「でも、昨日は返事するよりも前から決めてた柴田さんを優先したかった」
「ありがとう」
「「……」」
その後はいつも通りのホームルームが終わった。
「1時間目は実験室か」
「航大、行こうぜ」
「おう」
「行かせねーよ」
「待てよ」
「なんだよ」
「なんだよじゃねえよ!」
さっきのやつがまた絡んできた
若宮さんはもう教室を出ていた
「まゆかがてめぇみたいながいいならそれは認める……でも断るのは許さん!」
こいつ、意外と良い奴なのか?
「人の恋愛に首をつっこまないでほしい」
「チッ」
「お前は大変だな」
圭が笑いながら話しかけてきた。
「うるせーよ。元はと言えばお前のせいだろ」
「ケッケッケッまぁ確かに」
「おい!笑うなよ」
「そろそろ授業始まるぞ。急げよ!」
「あ!おい!逃げんな」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます