第11話 親友

「疲れた」


「男子からすごい睨まれてたもんな‪。面白かったよ」


「バカにしてるだろ!」


「もちろん」


今日は午前授業ということで、放課後に圭と公園でサッカーをしていた。

俺たちはサッカー部ではないが、小学校のときに一緒に習っていたこともあり、サッカーは習慣になっていた。


「んで?返事はどうするつもりだ」


「あー、断ろうかなと思ってるよ」


「やっぱり、お前は好きな人いるもんな」


「まぁな」

こいつには誰とは言ってないが、好きな人が居ることは伝えてある。あいつに好きな人がいるのも知ってる。


「でも若宮は毎日言うとか言ってたけどどうするつもりだよ」


「どうもしないよ」


「確かにな。変に避けるより、このままの方がいい」


「久々に1on1やろうぜ」


「のぞむところだ!」


サッカーをしていたときは、圭がDFで俺がFWだった。エンジョイチームだったから強くはないけど、楽しかった


「「ハァ、ハァ、ハァ」」


「やっぱり1対1は強いな」


「久しぶりだから本調子じゃないけどね」


それから俺たちは、近くのスーパーにスポドリを買いに来た。飲み物、アイス、おやつとスーパーを回っていると、頭上に数字が見えた。誰だろ?


「昨日ぶりだね、航大くん」


「あっ、どうも」

柴田さんのお母さんに会ってしまった。


「航大くん、昨日は栞と遊べて楽しかったかしら」


「はぁ、柴田さんと遊べてというか動物園は楽しかったです。」


「やっぱり栞とのことは否定してきたわね」

わかってたような言い方だ


それから別行動していた圭が戻ってきた

「これを買うな。ところで誰だ」


「柴田さんのお母さんだよ」


「そうか」

柴田さんのお母さんの方を向いて

「こんにちは、航大や柴田栞さんのクラスメイトの青柳圭です」

と、律儀に挨拶をすると


「こんにちは」

普通に返ってきた。俺のときとは違う!


それからすぐに

「航大くんとまた話せて楽しかったわ」

と言って、レジに行ってしまった。


「「……」」


「何個か聞いていいか」

圭が質問してきた。


「いいが、とりあえずカゴの中のものを買って公園に行こう」


「わかった」



公園に着いた。

「よし、1つ目、どこで知り合った」


「多分その説明するには2問目も聞いた方がいい」


「じゃあ2問目、昨日はどこ行った」


「動物園」


「誰と」


「……柴田さん」


「1つ目を答えろ」


「昨日、家に送った」


「最後、お前が好きなのは柴田栞か?」


「うん」


「そうか、……よしサッカー続きしようぜ」


「聞かないのか、もっと詳しく」


「あぁん?そんなのどうでもいいわ、でも一つだけ言っておく!俺はお前の味方だ」


「ありがとう」


「「……」」


「お前何カッコつけてんだよクスクス」


「うるせ!俺も変なこと言って後悔してんだよ」


(圭と親友で本当に良かった)

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