第15話 相談
若宮と遊園地に行った日の夜は凄く疲れていた。
妹からは「ちゃんと嫌われた?」と言われ続け
母からは「二股はダメよ」と言われ
圭からは電話で笑われた。
そんなことがあったがしっかりと返事はしないであることを考え続けていた。
もちろん好感度のことだ。
嫌いになったら遊園地はなしにしていいと若宮に伝えてある。
当日に嫌いになり言いづらかったのかもしれないが、顔が赤かったり、ずっと笑顔だったり。少なくとも俺には作り物には見えなかった。俺の事を好きか確認しても認めた。
何よりゴンドラの中での告白と別れ際の笑顔はいつも以上に可愛く、眩しかった。
母さんや奏の好感度は変わらず95だった。つまり若宮のがバグったか、本当に0%の2つしかない。
確かめる方法は若宮に本当のことを話すしかないがこの方法は嫌だ。
どうしようかと考え続けそのまま寝てしまった。
次の日の朝に俺はふと浮かんだ
「……圭に話してみるか」
それからの学校はあっという間に過ぎて
ホームルームになった
「圭!」
好感度は85とやはり高い
「なんだよ」
「大事な話というか相談があるから放課後に俺ん家来てくれ」
「わかった」
俺があまりにも真剣だったので何かあると察したんだろう。
◆◆◆
ピーンポーン
「来たぞ」
「悪いな、急に呼んじまって」
「ああ、かまわないよ」
「今日は奏も母さんも居ないよ」
「そうか」
俺は圭を部屋に入れて、飲み物と簡単なお菓子を皿に盛って行った。
「それで?相談てのはなんだ」
「高校に入って俺はなんか変わったように見えるか」
「少し、大人っぽくなったというか落ち着いてきた。周りの目を気にするようになったように俺は感じる」
「そうか」
「そうかってなんだよ」
「俺が今から言うことは嘘じゃないから、それを分かって聞いてくれ」
「ああ」
「実は俺には好感度のようなものが見える」
「……やっぱりか」
「やっぱり?」
「明らかにお前が変わってたからな」
「そんなにか」
「中学生時代を知ってる人ならわかると思う」
「そうか」
「大変だったな」
「まぁな、残念ながら慣れてしまったし」
「俺の好感度は今、どれくらいなんだ」
「85」
「高いのか」
「かなり」
「よかった」
「ちなみに奏と母さんは95」
「まぁ家族だしね、柴田と若宮は」
「その事で相談があったんだよ」
「……」
「まず、現在の2人の好感度は0なんだけど」
「まじかよ。笑っちゃうぜ」
「うるせー、でも少し不思議で」
「不思議?」
「こないだの遊園地に行った日から若宮は0なんだよ。前日までカンストしてたのに、当日に急に0になった」
「嫌われたのか」
「俺もそうだと思ってたけど遊園地の観覧車の中で告白されたんだよね、しかも俺のこと好きか聞いたら好きと言われた」
「その好感度が見えるというのが俺には分からないからなんとも言えないけど、例えば何日も想ったら壊れるとかどうだ」
「ウーン、実例がないから分からないな〜それに柴田さんはどうなるんだよ」
「ずっと好きだったか本当に0か」
「そう、だよな」
「ここで結果を出してもわかることではないし、もう少し待とうぜ」
「だな。それとこのことを若宮に話そうと思ってるからその時に立ち会ってくれねーか」
「わかった」
そのあとはいつもどうりバカな話をして、圭は帰った。
「やっぱり圭に相談してよかったな」
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