ヒロインの好感度をカンストさせるにはどうしたらいいか
夕方
第1話 好感度
「久保くんバイバイ」
「じゃあね柴田さん。.......入学式から5日も経ったのに今日も0%か」
俺はつぶやいた。
俺の名前は、久保航大。
スクールカースト上でも下でもなく中位にいる
北川高校に通うどこにでもいる普通の高校生だ。
一箇所を除いて...。
俺は自分に対する好感度が見える。正確には好感度のようなものだけどね。理由はよく分からないが、高校の入学式の日に目が覚めたら見えるようになっていた。
最初は戸惑ったが今は慣れてしまった。
日常を過ごしていくうちに家族や親友のような深い関係の人ほど高く、同じクラスで特に関わりがない人は低いと気づいたので俺は勝手に好感度だと思っている。自分を認知してない人は数字がでない。
彼女は柴田栞
入試成績も良く、バスケ部期待のルーキーでさらに容姿もいい。人当たりもよくまさに完璧美少女だ。
めちゃくちゃモテる。が、高嶺の花すぎて誰も告白しない。
初めて会ったのは入試の日に俺ん家の最寄り駅の
西森駅で困っていた彼女を俺が助けたときだ。顔も名前も知らなかったが、近隣の中学校の制服を着ていたため同い年くらいと分かり、声をかけた。
◆◆◆◆
「あのー大丈夫ですか?」
「ヒャ!大丈夫...ではありません。あのー失礼だとは思いますし自分でも失礼とわかっていますがお金を貸して下さいませんか。志望校の最寄り駅までのお金を忘れてしまい...お願いします。」
「わかりました。いくらですか」
「500円です。」
「はい!これ500円です。」
俺は財布を出し、中から500円を取りだして女の
子に渡した。
両親に困っている人がいたら助けなさい!と
きつく言われ続けていたのですぐにお金を貸し
た。ほぼあげるつもりでいた。
「ありがとうございます。」
「気にしないで下さい。俺が助けるべきと思っただけなので。では」
「待ってください!あの、その...。LINES交換して
くれませんか?後日お礼をしたいので」
LINESとはチャットアプリのことだ。
「分かりました。・・・これがQRコードです。」
これも親に「見返りを求められたらカッコつけない
で応じなさいと」言われていた。
その後LINESを交換して別れた。つもりだったが同じ電車に乗ったので気恥ずかしかったが少し話しをした。そして同じ駅で降り、同じ方向に向かったのでまさかとは思ったが北川高校で柴田さんも足を止めたのでそのまま2人で試験会場に向かった。
試験を終え、数日たち柴田さんとは連絡を取り合っていた。LINESで話してるとめちゃくちゃドキドキするし、返信がきたら嬉しい。
多分俺は柴田さんのことが好きなんだ!
◆◆◆◆
合格発表の日、お互いに合格したと伝えた。
学校で入学式が始まる前に柴田さんに挨拶をすると同時にふと頭上の数字を見てみると0%となっていた。その時は数字の意味がわからずスルーしていた。
入学式後に自己紹介で俺の番が終わると無表記だったクラスの人の頭上では高い人は30%、低い人は3%くらいに変わった。
後日学校生活で何人かの男子と話すと急激に頭上の数字が上がったり、うるさくすると女子の数字がゼロになったりとする。小テストで高成績を取ると先生の頭上の数字か上がり、女子と話すと下がったりもした。え、少し話しただけなのに酷くね。なので俺は好感度だと思い、頭上の数字の謎は解けた。
それと同時に俺は気づいた
「あれ!じゃあ柴田さんの好感度ゼロじゃん」
その時に俺は決めた
好感度をカンストさせる!と
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