ヒロインの好感度をカンストさせるにはどうしたらいいか

第19話 ずるいぞ

｢で？私に聞きたいことって？｣

俺が聞くのは恥ずかしから圭に頼んだ

｢本当に航大のことを好きか？例えばずっと告白し続けたから今更嫌いになったとは言えないとか｣

｢そんな訳ない！私は久保くんのことが好き！｣

恥ずかしいからそれ以上言わないでほしい

｢そっか。じゃあ航大を好きになってからどれくらいたった？｣

｢そんなの数えてないよ｣

｢ざっとでいいから｣

｢ごめんね、わかんない｣

｢そうか。なぁ航大｣

｢なんだ｣

｢あの子はお前のことが好きなんじゃねーの？｣

｢は？なんで｣

｢どういうこと？｣

｢そうだ！俺にも分かるように説明しろ！｣

｢これは俺の仮説なんだけどな、お前のことをしばらく好きだったらその好感度が見えてるやつが0になるんじゃねーの？｣

｢｢えー！｣｣

｢イヤイヤイヤイヤ、それは無いだろ｣

｢じゃあ、若宮は嫌いでも好きでもない、いわゆるどうでもいい人と2人きりで遊びに行くか？｣

｢私、というか女子の意見だけどまず、間違いなく行かないわ｣

｢航大はどうでもいい女子と2人きりで遊びに行くか？｣

｢行かない｣

｢だろ？なら好感度が0なんじゃなくて壊れてんだよ。もちろん、仮説だけどな｣

｢う〜ん｣

｢そもそも、ウダウダしてるよりさっさと告ってきなよ｣

｢うーん｣

｢驚いたな、若宮が積極的に協力するとわ｣

｢あたりまえでしょ、振られたら私が貰ってあげるんだから｣

｢いや、航大が振られても若宮に行くとは限らないぞ｣

｢でも、好きな人がいるかいないかなら後者の方が私的には楽じゃん｣

｢ま、まぁな｣

圭は呆れたように言った。

(もうやめてくれ！)

｢ていうかさ、航大はずるいぞ｣

｢私も思ってた｣

｢なんだよ。急に｣

(ずるい？俺が？)

｢普通の人は相手が自分のことを好きか嫌いか分からないのに告白しているのに、お前は成功することがわかってから告白しようとしてんだろ｣

｢……｣

｢私の場合は失敗したらさらに強気で攻める気だったよ｣

｢……｣

｢それで成功したら俺の仮説が合ってて、失敗したら本当に興味がなかったで終わりじゃん｣

｢そう……だよな、確かに俺はずるかった｣

それから俺はどうしようか悩んでいた。その間はみんな沈黙だった。

五分くらい経ち

｢で？告白はするの？｣

若宮が沈黙を破った。

｢うん、悩んだけどすることにした｣

｢当たって砕けてこい｣

｢おい！振られる前提じゃねーか｣

｢あたりまえだろ、まぁ手伝えることがあったら言えよ｣

｢あたりまえなのかよ！……ありがとう圭｣

｢で？相手は誰なの？｣

｢柴田栞さん｣

｢本当に？｣

｢うん｣

｢……ちょっと久保くんは廊下に行って｣

｢なんで｣

｢圭くんと話したいことがあるから｣

｢わかったよ｣

俺は黙って廊下に出た。正直めちゃくちゃ気になる。

◆◆◆

｢本当に栞ちゃんなの？｣

｢うん、俺が聞いたのは柴田さんだよ｣

｢じゃあ告白したら100％成功するじゃん！｣

｢なんで｣

｢私が航大くんと話してるといつも睨んでくるもんあれは嫉妬してる乙女の顔だよ｣

｢それで？｣

｢私が遠くから久保くんを見てるときも必ず視界にはいたよ｣

｢席が隣だからじゃねーの？｣

｢それは……分からないけど。とにかく成功する可能性は高いよ！｣

｢そうか。航大には言うなよ。結果を知って告白したらいい変わらないから｣

｢うん｣

ｺﾝｺﾝ

｢そろそろいいか？｣

｢ああ｣ ｢うん｣

｢今話したことは｣

｢教えてあげない。でも航大くんのための話｣

｢そうか｣

｢それよりいつする告白する？｣

｢とりあえず中間考査が終わってからだな｣

｢柴田さんは入試成績も高いし、小テストも高いから高得点たと思うよ｣

｢だよなぁ｣

｢だったら釣り合う男になるためにしっかり勉強しないとな｣

｢圭、俺が勉強がミスター平均なのを知ってて言いやがって！｣

｢まぁ頑張れ｣

｢他人事だなぁ｣

それから一通りの話は終わったので圭の家を出て駅に着いた。

若宮が乗る電車が来たので若宮は乗った。

｢前回も言ったけど胸は見すぎないように。柴田さんはあまり大きくはないから大丈夫だと思うけど｣

｢……あまり弄らないでくれ｣

｢うん、応援するよ｣

｢ありがとう｣

｢じゃあね｣

｢また明日｣

本当にありがとう