第34話 告白②
「…ごめん」
(そっかー私振られちゃったのか。もしかしたら天狗になってたかもしれないなぁ)
「そうだよね。急に告白しちゃってごめんね」
私の頬を雫が垂れてきた。
(私、久保君のことこんなにも好きだったんだ)
そう思うとさらに涙が溢れてきて、私は思い切り泣いてしまった。
「違うんだ!俺が謝ったのは、柴田さんから告白させてごめん!て意味で」
「……え?」
私の顔はぐちゃぐちゃだ。でもそんなことはどうでもよかった。
「俺から告白させて下さい。柴田栞のことが好きなんだ!俺と付き合ってくれ!」
「俺もずっと好きだった。でも俺は柴田さんと違って、顔が良いわけでも、頭がいい訳でも、人気者でもない。自分に自信がなかったんだ。だから柴田さんから告白させてしまった...返事を聞かせてくれ」
「そんなの、そんなの決まってるよ。これからよろしくお願いします。」
「良かったー」
「ふふ。いつもは強い口調じゃないもんね」
「柴田さんこそ……」
俺が言いかけたところで柴田さんに口を抑えられてしまった
「柴田さんじゃなくて、栞がいい」
「分かった。し、栞こそ涙は止まった?」
「え、あ、うん」
「どした」
「いや、あんなぐちゃぐちゃな顔を見られたと思うと」
「大丈夫だよ、その可愛いかったから」
「///あ、ありがとう」
「あと、ほんとに俺でいいんだな?学校でもぱっとしない俺で」
「うん!もちろん。初めて会った時に助けてくれて、それからずっと好きだったんだし」
「そうなんだ」
「久保くんこそいつからなの?」
「俺はいつからか分からない。でも連絡を取っているうちに楽しいと思えた」
「そっか」
「でもかなり諦めてたけどね」
「えー、なんでー」
「いや、それには深い訳があって…」
「深い訳?」
「詳しくはまだ話せない。ごめんね」
「いいけど」
「いつか話すよ」
「うん。お願い」
「あとは、学校の人に言うか」
「うーん、私としては言いたいけど、若宮さんの二の舞に。下手したらあれ以上になるかも」
「行ってもいいよ。隠れて付き合うのも嫌だし」
「そっか。じゃあ言おうというか聞かれたら認めよ」
「そうだね」
「もし、いじめになっても私が守るから」
「俺が言いたかったわ」
「えへへ」
ガチャ
家の玄関ドアが開く音がした。
「時間的にお母さんかな」
「ただいま。栞ーどうだったのー」
「おかえりなさい」
「どうも、お邪魔してます」
「……ふーん。大事な娘と付き合うんだから泣かしたら許さないからね」
「え?」
「え?お母さんなんでわかったの」
「当たり前じゃない。振られた後に一緒にいるわけないじゃない」
「そっか。確かにそうだね」
「私として は、交際に関して全然いいんだけど、お父さんがなんて言うか」
「うっ、お父さんか〜」
「確かにお会いしたことがありませんね」
「栞から今度、話しておきなさい」
「はーい」
「それより久保くん、この後の夜ご飯はどうするの」
「あっ、それは」
「それは私から提案して、家で食べてもらうことにしたの」
「わかった。準備しておくわ」
「ありがとうございます」
それからは栞さんの家で夜ご飯を頂き、家に帰った。
栞さんの好感度が上がったかは確認しなかった。ゼロだったら嫌だし、カンストしたことを願う!
もししてなくてもこれからカンストさせる。
ずるいと思われるかもしれないけど、
それが好感度が見える俺にしかできないことだから
———————————————————————
急なことで申し訳ありませんがこのシリーズは完結とさせていただきます。
実は何個か伏線のつもりで張ってはいましたが、僕にそれを回収する技量がないこと、忙しさで今まで通りのペースで投稿できない点が主な理由になってます。
この話の続きを何話か書いておりますが終わらせるタイミング的にもここがちょうどいいかなと思います。
楽しみにしてくださった方々には大変申し訳なく思っております。
今後はクリスマスや誕生日といったイベントは書こうと思っています。
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