第21話 私も行動を起こさないと!
2人に相談してから数日経ち、俺は勉強に勤む……わけがなく、元々苦手な勉強が好きな人のためにできるわけじゃない。
「久保くんはしっかり勉強してる?」
柴田さんが話しかけてきた。
「元々勉強が苦手だからあんまりしてないかな」
「じゃあ明日の土曜日にその…うちで勉強しない?」
「え!」
「あ、え〜と。お、お母さんが奏ちゃんにお礼したいって言ってたけど未来がお母さんがいない時にしか呼ばないからさ」
「わかった」
「じゃあ、明日の10時に」
「りょーかーい」
なんと休日に柴田さんの家で勉強する約束ができた!
その日の授業はもう楽しかった。勉強が楽しいのはいいことだ。
あっという間に昼休みになった。
いつも通り圭とお弁当を食べる。
「明日、柴田さんの家に行くことになった」
「おーおめでとう」
「1ミリも感情こもってねーぞ」
「当然だろ。込めてないんだから」
「込めろよ」
「まぁな。それより」
「なんだよ」
俺は水筒の水を飲みながら聞いた
「襲うなよ」
「ゴホッ...ヴ...ゲホッゴホッゴホッ...」
「うわーきったねー」
「おめーのせいだろ」
「さ〜身に覚えがないね」
「てめぇ」
「なんの話し?」
「若宮」
「いや〜こいつがさ水を吐いたから」
「吐いてねーよ。嗚咽だけだよ」
「どっちにしろ汚いよ」
「はい、すいません」
謝ったやさきに若宮の顔が近づいてきた。頭突きでもされるかと思ったが普通に話しかけられただけだった。
「それより今の私もやっぱり好感度は0なの?」
「あぁ。そうだよ」
「ふーん」
「学校では耳打ちでもその話題はやめてくれ」
「耳打ちは嬉しいくせに」
「否定はしない」
キーンコーンカーンコーン
「やべぇ時間がねえ」
「早く食べろよ」
「いつのまに食べ終わったんだよ」
俺は3分で食べ、お腹が痛いまま授業を受けた。
side柴田栞
昨日の夜にお母さんから言われた。
「栞、明後日に久保くんを連れてきなさい」
「へ?なんで」
「この間駅でね、久保くんと胸の大きい女の子が話してるのを見かけてね、あれは間違いなく恋する乙女の顔だったから早く行動を起こさないと」
「それは多分若宮さんだと思う。ずっと久保くんに告白しててね、久保くんは全部断ってるみたい」
「男の子なんて可愛くて胸が大きければコロッと落ちるんだから。あなたは容姿はいいのに胸がね」
「うるさい」
「だから早く久保くんを呼びなさい」
「でも理由がない」
「そんなの、私が奏ちゃんのお礼がしたいから呼んだってことにすればいいじゃない。それに今はテスト期間なんだから学年1位入学のあなたと一緒に勉強するって言えばいいじゃない」
「……わかった」
昨夜のことを思い出しながらお昼ご飯を食べてると久保くんと青柳くんが話してるところに若宮さんが入ってきた。
「何話してるんだろう」
私は誰にも聞こえない声が漏れてしたった。
え!耳打ちしてる。あんなに楽しそうに。なんで?
仮にも告白をした側と断った側の関係じゃない!
私も何か行動を起こさないと!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます