戦犯魔術師制裁機関

地・水・火・風の四色精霊たちの末裔を自任する四色の精霊人――エレメンタルの国家である四重帝国は、非エレメンタル国家である連邦との15年にもわたる〈終末戦争〉に敗れ占領帝国となった。

終戦から1年。

占領帝国のエレメンタルたちの反連邦感情は高まるばかりで、各地でデモや暴動、過激なテロ活動が頻発していた。とりわけ戦犯魔術師に指定された旧四重帝国陸軍の魔術師たちは危険分子であり、占領軍総司令部は戦犯魔術師狩りに躍起になっていた。

戦時中、若干14歳ながら名の知れた魔術師だった旧四重帝国陸軍のラスティ・フレシェット少尉は、わけあって〈戦犯魔術師制裁機関〉と呼ばれている占領軍総司令部参謀第二部情報総務課に席を置き、上司である狼の精霊人――ガルーのファル・ソルベルグ中尉とともにかつての同胞であり戦…続きを読む