幸せへの道
第16話 再婚を考えている
気持ちは晴れでは無いが。
それでも.....晴れに近いような気分だった。
有希とも再会出来たし、だ。
何だか事は上手く進んでいる気がする。
思いながら俺は.....障害物競走を走って4位になって頑張ってから。
俺達は昼休みになり、昼飯を食っていた。
「久々だね。道春君。元気かい?」
「俺は元気っす。高安さん.....お会い出来たの久々ですね。お元気ですか?」
「.....ああ。僕は元気だよ。相変わらずだ」
「そうなんですね。良かったです」
そんな会話をしながら。
俺と母さん、高安さんと栗葉と会話する。
それから俺は目の前の唐揚げを食べる。
相変わらずの美味しさだ。
母さんも栗葉も、だ。
頑張ってくれた。
高安さんが俺と母さんに向いてくる。
「.....君達には迷惑を掛けたね。色々と」
「.....はい。離婚は仕方が無いと思ってますから。その、仕事関係.....落ち着きました?」
「ああ。本当に迷惑を掛けているけど.....落ち着いたよ」
「.....それは良かったです」
高安さんはお茶を飲みながら後頭部を掻きつつ苦笑する。
栗葉も嬉しそうにニコニコしていた。
俺はその姿を見ながらはおにぎりを食べる。
そうしていると高安さんがこの様に話してきた。
落ち着いた感じで、だ。
真剣な顔をする。
「実は.....仕事関係が落ち着いてきたついでに.....栗葉。道春君に真剣な話がある」
「.....え?」
その様に声を発する俺。
それから俺達は?を浮かべて母さんと高安さんを見つめる。
すると高安さんと母さんは見つめてから前を向き、こう切り出してきた。
実はまた再婚しようと思っている、と、だ。
俺は高安さんのその言葉に見開いた。
栗葉が一瞬だけ止まってから.....目を輝かせる。
まさかだった。
「じゃ、じゃあお兄ちゃんと一緒になれるって事!?」
「.....そうなるね。栗葉は.....本当に道春君が好きだね」
「す、好きって.....訳じゃ.....」
モジモジしてボッと赤面して俯く栗葉。
俺はその姿を見ながら苦笑いを浮かべつつ。
高安さんと母さんに向いた。
母さんと高安さんは質問を受け付けるよ、的な顔をしている。
俺は早速聞いた。
「落ち着いたから再婚だよね?」
「そうよ。道春」
「.....また離婚する事は?」
「.....道春君。それは無いよ。.....今度はしっかり幸せにしてみせる」
「.....だったら良いです。.....栗葉と母さんの事が心配だから。俺はどうなっても良いですけど。その二人の幸せは絶対に揺るがしたら許さないです」
栗葉と母さんは見開いてから。
お兄ちゃん、と栗葉は少しだけ赤面する。
そう、俺は何よりも。
栗葉と母さんが心配なのだ。
他はどうだって良い。
「.....相変わらずだね。道春君は」
「.....俺は心配なだけです。本当に」
「でも大丈夫。僕はもう離婚しないよ。.....今まで本当に悪かった」
そして頭を下げる高安さん。
俺はその姿を見ながら.....柔和になる。
それから栗葉と母さんを見る。
母さんと栗葉も笑みを浮かべていた。
これなら大丈夫かな。
思いながら.....再婚の事を俺と栗葉は快く承諾した。
「母さん。今まで隠していたんだね」
「.....御免なさいね。話す機会が見つからなかったのよ。だからこの集まった時に話そうと思ったの。本当に御免なさい」
「.....まあ母さんの事だからね。大丈夫だよ」
俺は考えながら母さんを見る。
母さんは俺に対して、有難う、と穏やかな表情を浮かべた。
それからご飯を食べ始める。
何だか久々に.....家族が纏まった感じがする。
俺達は考えながら栗葉と見合ってから笑みを浮かべた。
「そういえば栗葉ちゃん。随分と.....笑顔が増えたわね」
「.....はい。私、毎日が楽しいんです」
「.....そうなの?.....それは.....良かったわ。.....私達も明るくなるから」
俺を見ながら鼻歌を歌う栗葉。
その姿を見ながら俺は母さんを見る。
母さんは俺にも笑みを浮かべる。
そして、道春も随分と笑顔が増えたわね、と言ってくる。
「.....有希と愛花、そして姫野、それから.....栗葉、長石のお陰かな」
「.....そうなのね。.....貴方の周りは豊かになりつつあるわね。.....お母さん安心したわ」
「.....少なくとも昔よりかは遥かにマシになったよ。母さんと高安さんのお陰もあるかな」
「僕達の?」
「はい。俺は.....みんなのお陰で成り立って今があります」
そうしていると長石が来た。
俺達に、よ、と声を掛けてくる。
母さんと高安さんが頭を下げながら長石に?を浮かべる。
此方の方は?、と、だ。
俺は.....この子は長石です、と紹介する。
「長石拓哉です」
「.....もしかして道春のお友達?」
「.....そうだね。恥ずかしいけどこの前出来た友人だな」
「.....そうなのね。もし良かったら.....ご飯を一緒に食べましょう」
「いえ。せっかくですが。ただ山本と栗葉ちゃんに声を掛けたかっただけなので」
長石は断りながら俺と栗葉を見る。
それから、良い関係だな、と笑みを浮かべる。
俺は頬を掻きながら、だな、と返事する。
そして長石は、んじゃまあ様子見だったし戻るから、と俺に声を掛けて笑みを浮かべ去って行こうとする。
「待て。長石。せめてもの握り飯ぐらい持って行け」
「.....マジで?.....俺みたいなのが貰って良いのかな」
「ええ」
そのまま長石にサランラップに包まれたおにぎりを渡す。
それから、さ。サンキュー、と言い淀みながらも笑顔を浮かべた長石を見送る。
そして俺達は顔を見合わせた。
「.....良い子ね」
「.....そうだね。母さん」
「.....君は友人が作れないと言っていたから安心したよ。道春君」
「ですね」
高安さんも母さんも俺に柔和になる。
アイツから友人になりたいと申し出があったから。
俺は.....笑顔で受け入れる事が出来た。
良い奴だ、と思える。
「.....長石君も遠慮がちだね」
「.....そうだな」
「でも長石君らしいね」
「.....だな。ハハ」
そして昼休みは終わった。
俺達は午後の部に向けて.....頑張ろうと決意する。
だが.....そこでアクシデントが起きた。
何が起きたかっていえば。
大縄跳びの愛花が貧血で倒れて巻き添えになり傷を負ってしまったのだ。
俺は衝撃を受けた。
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