別れた筈の義妹に再会した件について.....。

アキノリ@pokkey11.1

第一章 傷の付いた男の子と大切な想いを抱く女の子

留年してしまった少年

第1話 留年の俺

俺、山本道晴(やまもとみちはる)、17歳の元同級生達は俺を見ながら、無いわー、とか、クスクスとか言いながら小馬鹿にしてくる。

顔立ちはそれなりに母親には整っているとは言われる顔立ち。

だけど鷹の様に鋭い目で無愛想な顔。


それから.....黒の短髪に至って普通の身長。

自慢出来るものは何も無い様な路傍の石ころだ。

成績も普通すぎる。

性格的には.....心を簡単には痛めない性格なので元同級生の言葉は全然とは言わないが気にしない事が.....多かった。


因みに俺の.....友人だった奴にも見放されてしまった。

つまりボッチになった感じかな。

そんなメチャクチャになっている理由だが16歳で.....高校を留年し高校1年生をやり直していたから。


まあだから単純に元同級生にしての先輩達に小馬鹿にされてもおかしくはない状態だと思える。

だって俺は下級生なのだ。

年齢がどうこうあれ。


1年のクラスでも俺はヒソヒソと噂されハブられている。

5月だが今日が初登校日。

まあ.....久々の学校とあって、だ。


俺は先輩にしてそれが同級生というのが信じられないという目で見られている。

それに登校も留年後、初めてだ。

3月か4月に噂が噂を呼んでしまった感じだろう。

俺は別にそれあんまり気にしないのでどうでも良いと思いつつ。


そんなこんなのしきたりを受けながらの外を眺めていると、いきなり1人の女子が、ね。ねぇ、と声を掛けてきた。

俺は窓から外を見るのを止めて?を浮かべて顔を上げる。


女子達が、ちょ。止めなよ、という中でもモジモジしながら俺を見てくる女の子。

栗毛色の髪の毛に.....耳の上の三つ編み。

そして.....栗の模様の髪留めをしている.....ん?

って.....コイツ.....!?


俺は驚愕してその女の子をマジマジと見つめる。

クラスに興味が無いが知らなくてはいけない人物だ。

俺はビックリしながら全身を確認する。


その女の子は少しだけ甘い声をしていて.....声優になってもおかしく無い萌声。

それから.....俺を優しく見てくる柔和な目。

顔立ちが整い、美少女と言わざるを得ないぐらいの顔立ち。

そしてトドメに身長が158センチしか無く。

だけどスタイル抜群。


ついこの間まで.....家族だった女の子、茂木栗葉(もぎくりは)15歳、である。

(元)山本栗葉。

俺は衝撃を受けながら栗葉を見る。

栗葉は俺に控える感じで頭を下げてきた。

そしてニコッと柔和に笑みを浮かべる。


「.....久しぶり.....義兄さん」


「.....お前.....この学校に入学したのか?」


「.....うん。高校生になったよ。アハハ」


「.....1年ぶりか?久々だな。成長したなお前」


俺は柔かに栗葉を見つめる。

栗葉は、うん、と嬉しそうにはにかんだ。

そして.....直ぐに悲しげな目になる。


その。えっと、と言い掛けて口を噤む様にして止めた。

まあ懸命な判断だな。

それは話すべきでは無い。


「えっとそれはそうと義兄さんは.....この学級だったんだね」


「.....そうだな。まあぶっちゃけ言うとこの学級は丁度2回目だけど」


「そ、そうなんだ。アハハ」


「でも少しだけでも嬉しいよ。知っている奴が居て。.....義父さんは元気か」


うん、とても元気。

とニコッと三つ編みを弄って見てくる栗葉。

相変わらずの可愛さがある。

俺と兄妹だった事が信じられないが。

だけど今は違うけど。


「栗葉。お前も一歩を歩み出したんだな」


「.....うん。おに.....じゃない。義兄さんのお陰でね」


「.....そうか」


今、お兄ちゃんと言い掛けた気がするが。

まあ気にしないでおこう。

思いながら.....俺は栗葉を見る。

背後の女子も見る。


「.....戻っていいぞ。栗葉。.....俺と一緒に居ると.....お前が差別される」


「うん。でも義兄さんを残して戻りたく無い」


「.....戻れって。お前の事が心配だから。お前が孤立する。今度は」


「.....またそうやって義兄さんは私を心配してくれるんだね」


そうだな。

だって.....いくら元家族でも女の子なんだから。

呟きながら栗葉を見つめる。

栗葉は、相変わらずだ、と呟き赤面する。

ん?


「ねえ。おに.....じゃない。義兄さん。.....道晴って呼んで良い?」


「.....まあ勝手に呼んでくれ。どう足掻いても俺はお前の同級生なんだから」


「.....やった。遂に名前で.....」


「ん?何か言ったか?」


赤くなりながらハッとして。

な。何でもない!、と否定する栗葉。

さっきから何だかおかしいんだが。


思いながら?を浮かべていると。

担任の山郷が入って来た。

栗葉は、あ。担任の先生来たし戻るね、と笑顔で俺に手を振って去って行く。

俺は、ああ、と返事した。


「.....」


少しだけ手を振る俺。

まさか栗葉と一緒になるとはな。

俺は思いながら窓から空を見上げて出席を受けた。

昔の記憶が蘇ってくる。

そして俺は前を嫌気が差して見た。


「.....栗葉.....」


もうあんな思いは沢山だな。

そろそろ俺の人生もそれなりに最悪な状態を抜けて輝けば良いが。

考えながら俺は.....出席をされて返事した栗葉を見つつ横の目下にある桜の並木を見つめる。

それから出席が読まれて俺も返事をする。

そして.....座った。

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