第31話 確かめるもの

 ここでの生活は、夢だったのだろうか。朽ち果ててしまっている小さな家を、そっと見上げる。

 門を守る二本の木はそのままだから、おそらくここが、小さな少年、ゆうが一人淋しく暮らしていた場所。必要があったとはいえ、その尤を欺いていたのは、自分。溜め息を、なつはどうにか飲み込んだ。

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