第14話 『禁域』に囚われて

「助かったよ」

 幻の樹の洞に囚われていたところを助けた同僚の安堵の表情に、心の奥底で溜息をつく。『禁域』の正常化は世界の悲願だが、「『禁域』に引っ張られない『能力』」を持たない者をこの場所に派遣するのは。

「気をつけて戻ってください」

 消えた同僚に、なつは唇を横に引き結んだ。

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