第28話 外へ

 書斎の壁に吊ってある、おそらくゆうの父のものだと思われる厚手の外套を手に取る。丈を縮めれば小柄な尤でも羽織ることができるだろう。

 冷たい風が吹きすさぶ外に出るためには暖かい服が必要。温かい飲み物も必要かもしれない。用意するものを頭にメモしながら、なつは我知らず微笑んでいた。

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