第27話 必要な嘘

「ずっと一緒にいてくれる、なつ?」

「もちろんです、ゆう様」

 小さな身体を捺に擦り寄せてきた尤に、迷い無く嘘をつく。

 この『禁域』を正常化するために、見捨てられたこの少年の心を癒やす必要がある。職務を全うする嘘なら。

「良かった」

 捺の体温を確かめる冷たい身体に、捺は首を横に振った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る