第21話 それは昔の物語

「宇宙に移住する計画、どうなったの?」

 古い新聞を手に首を傾げたゆうに、曖昧に微笑む。

 『大災害』の前の混乱の日々、宇宙に逃げるという計画は確かにあった。だが。

「宇宙にも人が住むようになったら『地球産』って言葉ができるね」

 あくまで無邪気な尤の言葉に、なつは曖昧な顔のまま頷いた。

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