第10話 夕暮れの寂しさ

 なつは、まだ帰って来ない。ベランダから空を眺め、息を吐く。

 確か、近所のPCをセッティングして、買い出しに行く、と言っていた、けれども。

 胸の冷たさに、ベランダの柵をぎゅっと掴む。

 見上げた空には、宵の明星が輝いている。

 早く帰ってこないかな。白くなった息に、ゆうは頬を膨らませた。

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