第17話 月の守り

 月が無い世界は、どのような世界だろうか? 夜空に浮かぶ満月を見上げ、書棚から天文の本を取り出す。

 月が無ければ、地球の自転は今よりもずっと速く、風が吹きすさぶ荒れた惑星になるらしい。

 月があって、良かった。穏やかな世界を柔らかく照らす月に、ゆうはそっと頭を下げた。

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