第29話 外の風景

 全てを見下ろす場所に立っている。

「この街、案外小さかったんだね」

 腕の中のゆうの言葉に、なつは首を横に振った。

 前は、この街もある程度大きかった。

「もう、戻りますか」

 腕の中の体温を確かめ、小さく言葉を紡ぐ。

 身体の弱い尤に、外気は毒。捺の提案に、尤は首を横に振り、そして仕方無さげに頷いた。

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