ドラゴンシフト

十三世紀に当方より飛来したドラゴンは、ヨーロッパの半分を炎に沈めた！
過去二回に渡って発生した『ドラゴンシフト』と呼ばれるこの生物災害に対応するため、各国は『ドラゴン条約』を結び災害時には一切の紛争を中断して立ち向かうことを誓う。しかし結局、ドラゴンシフトが発生しないまま五百年が経過し、ドラゴンの存在は伝承の存在となっていった。
十八世紀末ロシア帝国では、国家を上げてシベリアの開拓が進められていた。それと並行して、シベリアから西部へ鉄を輸送している船が襲撃を受ける事件が相次ぐ。現場の状況から、ドラゴンの存在を疑う帝国陸軍トボリスク管区長ゲオルギー中将は露土戦争で手痛い失敗を被ったヴァシリ大尉と、女性仕官のオリガ少佐に調査を命じる。
やがて二人が遭遇したのは、シベリアの奥深くに生息するドラゴン…続きを読む