第5話 ドラゴン殺しのユーリ⑤

 夜の静けさは、爆発音と地響きによって破られた。夜空に一瞬、赤々とした輝きが走った。奇妙で恐ろしい光だった。ヴァシリは体に怖気が走るのを感じた。

 あれは何だろうか。直前の爆発音と地響きから考えて、ヴァシリは一個大隊が大砲で村に襲撃をかけたのかと思った。しかしそれでは空の輝きが説明できないし、第一その爆発音は大砲のものとは違っていた。ヴァシリは大急ぎで馬に乗って森を抜け、村へ入る。

 村は火に焼かれていた。家はもちろんのこと、尻尾に火が付いた馬が駆け回り、火だるまになった人間から玄関から飛び出して地面を転げ回っていた。

 そんな中で、ひときわ巨大な影が力強く歩くのが見えた。

 四本の足に、背中にコウモリに似た二つの翼を生やしたそれは、かつてヴァシリがペテルブルグにある大聖堂で見たフレスコ画、そこに描かれたドラゴンの姿と瓜二つだった。

「ヴァシリの旦那!」

 村人の一人がヴァシリの下へ来る。

「ドラゴンだ! ドラゴンが出た! イーゴリがなんとか槍で追い払おうとしたんだが、そうしたらドラゴンが暴れて―――」

「ここは俺に任せて、みんなと遠くへ逃げろ!」

 そうしている間に家から焼け出された人々が、悲鳴を上げながらドラゴンから逃げていくのが見えた。転んだ老人を、ドラゴンの口が、勢いよく食らいついた。悲鳴と血飛沫を上げて老人が食べられた。

「貴様ッ!」

 ヴァシリは馬をドラゴンへ向かって走らせる。目と鼻の先まで近づくと、ヴァシリはマスケット銃を撃った。銃弾はあやまたずドラゴンの眉間へ飛び、火花と共にその硬い外皮によって弾かれた。

「なっ!」

 驚く暇も無かった。次の瞬間、尻尾の一振りがヴァシリを襲った。馬が倒れ、ヴァシリは地面に投げ出され、ゴロゴロと草の上を転がる。手に持っていた銃は闇の奥へ消え、腰のサーベルも草の中に絡め取られて無くなった。

「くそっ!」

 草むらの中からヴァシリは腰のナイフを抜いた。そのナイフは野営時に肉やパンを切ったりするためのものだ。それを逆手に持って、ヴァシリはドラゴンを睨みつける。ドラゴンはそんなヴァシリを見ながら「新しい餌が来たぞ!」とでも言うように、血まみれの口元をチロチロと細い舌で舐めた。

 そこへ、「やあやあやあ!」という黄色い声がヴァシリの頭の上から響いた。

 ヴァシリが上を見ると、そこにはいつの間にか民家の上でオリガが仁王立ちしているではないか。サーベルを天にかざし、芝居がかった口調で、彼女は口上を述べ始めた。

「ドラゴンめ! とうとう姿を現したな! 神妙に成敗してやる!」

 言い終わるや否や、オリガはドラゴンへ飛びかかり、その背中へ飛び乗ってしまった。この暴挙には流石のドラゴンも驚いたようで「シャーッ!」と蛇が威嚇する音を発して、体が上下に跳ねた。

「こしゃくなっ!」

 オリガがサーベルをドラゴンの首に振り下ろすと、カーンと音が響いてサーベルの刃が根元から折れて飛んだ。

 異常な光景に常軌を逸した行動が加わると、人はかえって冷静になるらしい。ヴァシリの頭に上った血が音を立てて引いていった。

「おい馬鹿! じゃない、少佐! 今すぐそこから飛び降りて逃げて下さい!」

 ドラゴンが濡れた犬猫のように体を揺すると、オリガはドラゴンの背中からあっけなく振り落とされた。頭から地面に落ちたオリガはそれきり動かなくなった。

「少佐!」

 ヴァシリが助けに入る余地もなく、ドラゴンがオリガに鼻を近づけ、彼女の匂いを嗅いだ。気絶したのか腰を抜かしたのか、あるいは死んだのかオリガは身動き一つしなかった。ドラゴンが歯茎をむき出しにする。オリガが食われると思ったヴァシリがナイフ一つで駈け出そうとした瞬間―――。

 ヒュイイイイイ、という聞こえにくい、よくとおる音が響いた。矛盾する表現だが、この奇妙な音は、そう、ヴァシリには子供の頃に聞いた犬笛を思い起こさせた。

 ドラゴンがオリガから顔を離してあさっての方向を向く。すると闇の彼方から一筋の矢が放たれた。矢はドラゴンの鼻先に命中すると爆発し、強烈な光を放った。

「ぐわっ!」

 ヴァシリの目がチカチカとしたものに覆われる。ようやく目が効くようになると、ドラゴンは既にいずこへと去り、オリガの様子を小さな男が確かめていた。

 どうやらあれが二人の命の恩人らしい、ヴァシリはナイフをしまって駆け寄った。

「助かった、ありがとう。その人はどうだ?」

「気を失っているだけだ」と、男はぶっきらぼうに答えた。妙に高い声だった。背中には弓と矢筒を背負い、獣の皮で出来た上着を身にまとっている。フードを深くかぶっていて顔は良く見えない。

 ヴァシリがオリガ少佐の呼吸と脈を確かめる。どちらも異常はない。

「失礼します」

 念のために体を確かめてみるが頭の後ろに小さいコブが出来ているだけで、男の言う通り大した怪我は無さそうだった。

「頭を打ったか。まぁ、これ以上馬鹿になることはないだろうが………」

「やってくれたな。この村の人間が、近づいたあいつを撃ったんだ」と、男が言う。

「何のことだ?」とヴァシリ。

「あのワイバーンは子供だ。親からはぐれて縄張りを離れ、山を越えてしまったんだ。上手く誘導して元の場所へ返すつもりだったんだが………」

「子供………」

 あの巨大なドラゴンがまだ子供、という事実にヴァシリは驚愕した。子供ですら文字通り歯が立たないのだ、あれが大人のドラゴンならどうなっていたのか。

「ワイバーンとは?」

「あのドラゴンの種類だ。人の味を覚えたドラゴンは殺すしかないぞ。ドラゴンは本来、人間を食わない。手を出さなければ穏便に済んだんだがな」

 男の非難にヴァシリは次第に腹が立ってきた。この男はどうやら俺たちよりもドラゴンのことを知っているらしいが、ならば何故、もっと早く来て警告してくれなかったのか。それに村の人々は結果的に裏目に出てしまったとはいえ、村を守ろうとして死んだのだ。それを愚かな風に言われる筋合いは無い。

「お前は何者だ?」

 男が頭にかぶったフードを取るとそこには銃十二、三歳程度の子供の顔が現れた。小男は以前、アントンの店に現れた子供だった。

「俺はユーリ。ユーリ・ダニールヴィチ・ストロガノフ。ドラゴン殺しだ」



 ヴァシリがドラゴン、もといワイバーンから逃げて散り散りになった村人の捜索を打ち切った頃には夜が明けていた。その間にレオニードが村の被害状況を調べ、アーニャが住民の確認を行っているはずだった。ヴァシリはドモチェフスキー兄妹の家の椅子に腰かけ、出された白湯を冷ましながら左手で眠い目を擦った。

「死者六名、重症者四名、軽傷十四名、行方不明が二名」

 アーニャが白湯を飲むヴァシリの背中に毛布をかけながら言った。二人の行方不明者はワイバーンの腹の中か、あるいはまだ森の中をさまよっているのか、どちらとも判断がつかなかった。

「俺が見たとき、老人が一人ドラゴン、いやワイバーンに食われてた」

「グリゴリーさんね。死者の方に入れておいたわ。食べられたところを息子さんが見てたの」

「一晩中、村人から話を聞いて回っていたのか?」

「まぁね………あんなあとじゃ寝る気にもならないし。起きたらドラゴンの腹の中なんてぞっとしないじゃん」

 ヴァシリはふっ、と笑って「ところでレオニードは?」とたずねた。

「火事を消して回って、今はとりあえず瓦礫を片付けてるところだと思う」

「ユーリは?」

「多分、兄さんたちと一緒だと思う。兄さんたちを手伝って火事を消してた。ドラゴンの火って不思議ね、水をかけると更に燃え広がるんだから。ユーリの言う通り土をかけて消さなかったら、今頃村がなくなってたかも」

 アーニャの言うことは大げさだったが、あのままドラゴンが暴れていたらそうなっていたかもしれない。ヴァシリは今更ながら背筋がぞっとするような感触を覚えるとともに、眠気と疲れで今一つ状況に現実感が掴めていない自分を自覚した。

「少佐は?」

「部屋でぐっすり寝てる。起こす?」

「あの人が一度寝たら水をかけたって起きないことは知ってるだろ。無駄なことはよそう。起きたら知らせてくれ」

 残った白湯を一気に飲んで立ち上がる。

「もう少し休んでったら? 酷い顔してる」

「あんなことがあった後で眠る気がしないよ。起きたらドラゴンの腹の中、なんてぞっとしないからな」



「おい、ヴァシリこれは現実か?」

 レオニードが言った。焼けて燻った家々からは白い煙が未だ立ち上っていた。家の焦げるのとは別に胸やけするような独特な臭いが漂っていた。

「俺は今まで火は水をかけると消えると思っていたがドラゴンの炎は水をかけると更に燃え上がる。ドラゴンも魔法も存在するかもしれねぇな」

「現実だレオニード。たぶん」

「たぶん? よし、夢である可能性にかけよう。ヴァシリ、俺をぶん殴ってくれ、遠慮はいらねぇ」

「そうか? じゃあ」

 ヴァシリが拳を振り上げると、

「あっ、やっぱいい。たぶんこれは現実だ。うん、きっとそうだ」

「バカなこと言ってないで、ユーリはどこだ」

 ヴァシリが訊ねるとレオニードが上を指差した。ユーリは朝焼けを背景に屋根の上から遠くを見ていた。

「格好つけたい年頃なんだろう。俺も昔は木で同じことやったよ。降りられなくなって降ろしてもらったっけ」

「ユーリ!」

 レオニードの意味不明な昔話を無視してヴァシリが呼びかける。

「今後の方針を話し合いたい! ちょっと降りてきてくれないか!」

 ユーリはヴァシリの方を一瞥すると屋根を滑り降り、屋根の縁に手をかけて音も立てずに地面に着地した。

「いいだろう。あのワイバーンが来る気配はしばらく無さそうだ。話し合うなら今の内だ」

「レオニード、お前も来てくれ」

「おう」

 オリガはヴァシリ達が帰るころには既に目覚めていて、パンとキャベツのシチーを食べていた。ヴァシリが昨夜のことを説明した。ユーリがドラゴン殺しであり自分たちを救ったと言うと、

「ユーリは子供ではないか。ドラゴン殺しとは片腹痛いわ!」

 と大笑いした。

 オリガ少佐とは対照的に、ユーリは冷静に

「俺が子供であることとドラゴンを殺せることには矛盾は無いはずだが?」

 と言う。

「少なくともここにいるあんた方よりドラゴンの扱いは心得ているつもりだ。そういうあんたは何者だ?」

「ふん! 子供が生意気な口をききおってからに―――」

「俺たちはロシア帝国陸軍トボリスク管区に所属するヴィーチェ・ドラスク方面に派遣された兵士だ。トボリスクからこの村の監督と、ドラゴンの実在を確認するために来た。俺はヴァシリ・ヴィクトロヴィッチ・アニシモフ大尉。こっちはオリガ・アントヴァナ・ペレスベータ少佐だ」

 オリガの言葉をさえぎってヴァシリが説明した。

「こらっ、ヴァシリ大尉!」

「少佐、ユーリは子供ですがドラゴンを追っ払って我々を救いました。恩人に礼を尽くさぬは騎士道に反するのではありませんか?」

「ふん、子供がどうやってドラゴンを追い払ったというのだ」

「龍笛だ」

 ユーリは胸から紐のついた小さな笛を見せる。

「龍笛の出す音は人間には聞こえないが、ワイバーンが仲間を呼ぶときに出す鳴き声と似た音を出せる。それで頭をこっちに向かせてる。そして矢尻に付けた閃光弾で驚かせ、追い払ったんだ」

 ユーリは龍笛をしまって、

「いつもならこれでワイバーンを誘き出し、山の向こうへ返すつもりだったが今回のワイバーンは俺が見つける前にこの村の近くまで来てしまったようでな。ワイバーンは好奇心が強く火に引き寄せられる性質がある。松明を焚いて夜警をしていたのが仇になったんだろう」

「いつもなら? まるでドラゴンが頻繁に来てるみたいな言い方だけど………」

 アーニャが指摘した。

「記録によればドラゴンが最後に確認されたのは百八十年前だったはずよ」

「いや、実際にはドラゴンは一年に二、三回ほど山を越えて現れる」

「それをいつも追い返しているのか?」と、レオニードが驚いた。

「大抵はな」

 ユーリが頷く。

「そもそもドラゴ・ドゥーマ山脈から西にはドラゴンの食事を賄えるだけの大きな生き物はいないし気候も違う。ほっといても適応できずに衰弱して死ぬことが多い。だが時には今回のように生き延びて人を襲うこともある」

 事も無げに言うユーリにヴァシリは驚きながら、

「討伐も追い払うのもいつも君一人で?」

「いや」

 ユーリは首を横に振って、

「父と二人で行っていた」

「お父上は?」

「一年前に死んだ。今は俺一人だ」

 沈黙が部屋を支配する。ヴァシリはアントンの話を思い出して、まずいことを聞いたと思いながら話題を変える意味も込めて質問する。

「ユーリ、一人でドラゴンを相手にした経験は?」

「追い払ったことならあるが、討伐は初めてだ。しかし、あの程度のワイバーンなら攻略する自信がある。今回のドラゴンは人の味を知っているから、犠牲が大きくなる前に討伐したい。それにはあんたらの協力が必要になる。悪いが俺の指示に従ってもらえるか? オリガ・アントヴァナ・ペレスベータ?」

「少佐」

 ここはこの子の指示に、と言いかけてヴァシリはオリガ少佐の方を見る。少佐は立ち上がり、顔を真っ赤にして肩を震わせ―――。

「何と憐れな」

「え?」

 とヴァシリ。

「父親を失い、それでも一人、人々のためにドラゴンに挑み続けるとは。見た目幼くとも一人前の戦士であるということか! ようし分かったぞ! このオリガ・アントヴァナ・ペレスベータが助太刀いたす! ドラゴンの首を父上の墓前に供えてやろうではないか!」

「それは協力すると判断してい―――」

 オリガ少佐がユーリを抱き寄せた。流石のドラゴン殺しも不意を突かれて抵抗できないまま、すっぽりと少佐の豊満な胸の中へ埋められてしまった。

「羨ましい状況、か?」

 レオニードが疑問形のアクセントでヴァシリに耳打ちする。

「解釈の分かれるところだな」

「フー! フー!」

 ユーリが必死にオリガ少佐の背中を叩くが、オリガ少佐は窒息しかかっているユーリが喜んでいると思い込んでいた。



 村がワイバーンの襲撃に遭って十二時間が経過した。空には分厚い雲が立ち込め、空気が灰色に染まっていく。どうやら一雨来そうだった。ヴァシリたちにユーリを加えた五人は、ドモチェフスキー兄妹の家で作戦会議をしていた。

「運がいい」とユーリが窓から空を見て言う。「ドラゴンは雨の日には動きたがらない。時間が稼げるぞ」

 まずワイバーンの撃退にあたり、ヴァシリは女、子供、老人やけが人をトゥルハンスク方面へ避難させた。ドラゴンの実在を確認したので夜が明け次第トボリスクまで援軍の要請を行うために使いを行かせてある。しかしトボリスクからヴィーチェ・ドラスクまでの距離を考えると、あまりあてには出来ないだろう。

「避難民は大丈夫かな。道中、ドラゴンに襲われたりしないか?」

 レオニードが言うと、ユーリは「ただでさえ、雨は臭いを消す。川を使って移動すれば追跡は出来ない。安全に行けると思う」と答えた。

「さて、ユーリ。俺たちはまず何をすればいい?」

 ヴァシリがきく。

「製鉄所の鉄を村の広場まで全部運び込んでほしい」ユーリが答える。「理屈は分からないが、ドラゴンは金属を栄養にしている。だから金属の臭いには敏感なんだ」

「撒き餌か」

 ヴァシリはなるほど、と頷く。

 次に質問したのはアーニャだ。

「伝説じゃドラゴンは飛ぶって話だけど、あのワイバーンっていうのはどうなの?」

「あのワイバーンは子供だ。翼が未発達だから飛ぶのはまず無理だろう。あれがもう少し大人になると腹が引っ込んで体が引き締まり、翼が体表の六割を占めるようになるんだが―――」

「つまり飛べないわけか」と、ヴァシリがまとめる。「よし、それで次は?」



 ユーリの立てた作戦は以下の通り。まずワイバーンを龍笛で村の広場におびき寄せる。広場は四方を家々に囲まれているから、ワイバーンも身動きが取り難いだろう。奴が鉄を漁っている所に例の閃光弾を付けた矢を発射してワイバーンの視界を奪う。次に村の男たちが先の尖った丸太を抱えてドラゴンにぶつける。

「丸太をぶつけたあとはどうなる?」

 レオニードが部下に鉄を運ばせながらユーリに訊いた。

「こいつの出番だ」

 ユーリは腰から下げた斧のようなものを柄に着いた紐を支点にクルクルと回しながら構えた。それは鉱山で使うつるはしを小さくしたような武器だった。

「これがドラゴンを殺すのに使う主な武器だ。グロム(雷)と呼んでいる。これを両手に持ってワイバーンの背中をよじ登り、頭に突き立てるんだ」

 ユーリがグロムを虚空へ振った。

「頭へ突き刺したら紐を引っ張る」と、ユーリは柄の先端についた白い紐を指さす。

「先端に仕込まれた黄燐に、摩擦で火がついて火薬に引火し、爆発する仕組みだ。仮に尖端がワイバーンの頭蓋骨に突き刺さり、その状態で爆発を起こせばワイバーンの脳は爆発の衝撃で破壊される」

「ドラゴンの背中に乗るってのか? それを使って?」

 レオニードは驚いて言った。

「家の屋根から飛び降りてもいい。オリガがやったようにな。そのためにはワイバーンの動きを制限した方が有利だ。だから建物に囲まれた広場におびき寄せて拘束するんだ」

「信じられん」

 レオニードが蒼白な顔をすると、ヴァシリは周囲を盛り上げるように「大丈夫、うまくいくさ。少佐だってやったんだ。でしょ? 少佐」とオリガへ言った。

「馬より硬かった」

 経験者は短く言った。

「体格が大きい分、目の届かない部分も多いんだね。顔に目が二つしかない所は私たちと一緒ってことかな」と、アーニャが言うと「俺たちに翼はないぜ」と、レオニードが言った。

「でも知恵があるだろ」

 ヴァシリが言った。

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