007 衝撃
六槍師の会議があった翌日
「ただいま〜ってあれ、バールは? 」
「わんわんっ!」
「寂しかったねぇ〜ラキオちゃん〜よしよし」
「あ、ディープさんおかえり」
遠くでバールが声をかけた。
ディープは目を丸くする。
「ちょっとあんたそれ…どうやって…… 」
「ん?どれ? 」
リビングではバールがモップを動かしている。
しかしただ動かしているわけではない。
「触ってないのにどうやってモップ動かしてるのよ?!」
「あぁこれ?段ボール運んでる時に気付いたんだよ。こうやって力入れると楽になるって。その応用だよ」
(信じられない…何も教えてないのに自ら能力に目覚めるなんて…… )
「い、いつからそれを? 」
「うーんここに来て4日目くらいには」
「あなた、お父さんから何かされた? 」
「俺のお父さん、俺が小さい頃には戦争に行ってたんだ。だからまともに話した記憶もない」
(この子、本当に大きな戦力になるかもしれない)
ディープは当初の予定よりも早めに、バールにこんな話を打ち明ける。
「バール、よく聞いて。」
ディープが真剣な表情でバールを見つめる。
きょとんとした顔のバールにディープは話を続ける。
「あなたも戦争に行く事になるかもしれないわ。」
「えっ俺が?? 」
「あなたのその力、実は5年前の戦争にも使われてた力と同じ物なの。私と初めて出会った時に、体動かし辛かったでしょ?あれは私の能力で押さえつけてたの。」
「この力が戦争に?どういう事だよ」
「この世の中には、自分のパワーを自由自在に操れる人がいるわ。例えば、、パワーを炎に変化させて、周りのものを焼き尽くしたり」
「この力でそんな事できるのかよ」
「あくまで極めればの話ね。」
「でも俺、戦いたくねえよ? 」
「あなたのお父さんは、私の師匠なの」
「?お父さんがディープさんの師匠?? 」
「ええ。それで戦争に巻き込まれて、、亡くなったの」
「……。」
「最近街で暴れてる奴らがいるのは分かるわよね?実はそいつら、私たちが5年前に倒した国の生き残りなの」
「うーんよくわからなくなってきた」
「つまり、あなたのお父さんを殺した連中が、世界に復讐しようとしてるってことよ」
「それで俺も一緒に戦うってわけか。でも俺戦い方なんてわかんねえぞ? 」
「私があなたの師匠になるのよ」
「ディープさんが? 」
「ええ。元々鍛えるつもりだったけどこれまで生活の中で修行させてきたつもり。でも今は一刻を争う状態なの。予定より早くあなたを強くする必要がある」
「な、なんか大変な事になってきたな」
「まずはあなたのその力、その力を使えないと話にならないわ。パワーを出した状態で2時間キープよ」
「2時間もかよ?!」
バール。14歳。彼の新たな人生が始まろうとしている。
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