018 グループ

 グループは淡々と発表された。


「フメイ大陸か、、やっぱり肉食獣とかいるのかなぁ……バールはどこだった? 」


「俺も、フメイ大陸だ」


 バールとハヤトは同じグループだったようだ。


「六槍師は誰が来るんだろう。あっトゲゾウさんだ。」


「誰だ?それ」


「もしかして六槍師全員知らないの?!」


 ハヤトは驚いているようだ。それもそのはず。六槍師は世界中で尊敬されるヒーローなのだから。

 しかし、親に捨てられ社会から逸れて生きてきたバールは、この世のことなど知らないことの方が多いのだ。


「トゲゾウさんはね、きっとボク達のことを守ってくれるよ。防御がすごく上手なんだ。」


「ふうん、じゃあ攻撃は俺らがやんなきゃいけないってことか」


 そう、バールは不安なのだ。自分の攻撃で相手を倒すことができるのか。できたとしても周りの被害を抑えることができるのか。


 ディープはバールを静かに見守っていた。


(まだうまくパワーを扱えてない以上、バールを義勇団に入れるのは危険な気もする。本当によかったの?)


 ディープもまた、心配していたのだ。


「バール、私はあんたと一緒に行動はできないわ。それでも本当に大丈夫? 」


 ディープはクベック大陸のグループだった。

 クベック大陸は広く、ロスクルド帝国からも近いため、六槍師を2人派遣することにしたのだ。


「ディープさん、俺、やります。でも今のままだと足を引っ張ってしまうかもしれません。まだまだディープさんの特訓が必要です。」


「そうね、じゃあ今から始めましょう。」


「始めるって……? 」


「私と戦うこと。それが出発前最後の特訓よ。」

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