010 混乱
〜デネグ共和国〜
バール達が住むビバ帝国から少し離れたフメイ大陸にあるデネグ共和国。
ここには六槍師のナツノと、その弟子達が派遣されていた。
「そっちはどう? 」
「全員の救助完了しました!」
答えたのは、モエという少女。ナツノの一番弟子だ。
「全員の怪我の具合確認して」
「はい!」
ここフメイ大陸、デネグ共和国にもロスクルド帝国の魔の手が及んでいた。
ナツノにはある疑問が生まれていた。
「こんな貧しい地域にもここまで戦力を費やすなんて……本当に無差別に攻撃しているの? 」
〜シャギカ国〜
甚大な被害を受けた他の大陸とは裏腹に、六槍師のテツが対応に当たったここシャギカ国はロスクルド帝国が攻め込んでまだそれほど時間が経っていないこともあり、最小限の被害で抑えることができた。
と言っても、小さな村が壊滅的状況で、被害がゼロというわけではない。
人々の不安はやはり消えていなかった。
〜ビバ帝国ペノー市〜
呆然とするバールの前で破壊を続けるロスクルド帝国の兵士達。
「おい、他はもういないか」
「あぁ、もうみんなやっちまったみたいだ」
ヒトミとメグミの手下と思われる兵士達が手当たり次第に攻撃している。
「いや、あそこにまだ獲物がいるぞ!」
バールと1人の兵士の目が合った。
「えっ」
バールを見つけるやいなや襲いかかる兵士達。
「や、やばい…殺されちまう…… 」
恐怖で身が固まってしまっていたが、自分も戦うと決めた1人の兵士。バールは逃げることを選択しなかった。
「まずい、戦うって言っても俺はまだ…… 」
バールは必死に訓練の時のことを思い出した。
「えーっと、どうやるんだっけ」
バールはディープとの修行で、パワーの扱い方を教わったばかりだった。
ディープの修行の成果は出るのか。
「た、確か…… 」
〜回想〜
「いい?もう一回パワーの形を変化させてみて」
「で、できた!あっ」
「気を抜くとすぐパワーが消えちゃうわよ。もっとお中に力を入れて、下半身で踏ん張るの」
「こ、こうか?」
〜回想終了〜
「下半身で…… 」
ディープに教わった通りにやってみるバール。
「…… 」
しかし、なかなか思う様にはいかなかった。
「で、できねぇ。」
今のバールにはただ立ち尽くすことしかできなかった。
そんなバールに兵士達が襲いかかる
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