015 弟子、集合!

 〜ビバ帝国〜


 修行をしていたバールは、ディープに連れ出されていた。


「どこ連れていくんだよ? 」


 ディープは何も言わずにバールを案内する。


「ここって…… 」


 かなり古い建物の前に立たされた。

 看板に書いてある文字はかすれて読めなかった。


「なんだよ、ここ…… 」


 ディープはやっと答えた。


「ここが新しい訓練所よ。さあ、入って」


 バールは緊張しながらも扉に手をかけた。


「し、失礼します。」


「バールじゃないか!」


 扉を開けた瞬間、話しかけてきたのは以前バールを助けたハヤトだった


「お前、なんでこんなところに……! 」


 思ったよりも早い再開に、目を丸くするバール。


「僕も今日呼び出されたんだ。まだ何も聞いてない。」


 ハヤトの他にも小柄な少女や、強そうな筋肉を見せびらかしている男性など、狭い道場に多くの人がはいりこんでいる。


 ここに来たのは2人だけではないようだ。


「君たち、見ない顔だね」


 小柄な少女がバール達に突然話しかけた。真っ黒な髪を肩にかからない程度の長さまで伸ばしている。


「誰? 」


「バール、失礼だよ」


 ハヤトがすかさず指摘する。


 小柄な少女は、


「私はモエ。アカツキ義勇団の救護係を任されてるわ。ここにいるのはみんなアカツキ義勇団の人達だから…あなた達ももしかして? 」


「ボクは義勇団に入ってまだ日が浅いから、初めましてだね。」


 ハヤトは状況を理解するのが早い。


 一足遅くバールも


「ん?てことは俺も……? 」


 ディープの顔を覗く。


「そうよ、あなたをアカツキ義勇団のメンバーに任命するわ。」

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