014 ロスクルド帝国

 〜ロスクルド帝国〜


 ロスクルド帝国はガニエレブ海に浮かぶ島国。


 5年前、国民の多くが死傷し、国として機能しなくなったと思われたこの国は現在、世界を再び騒がせている。


 ロスクルド帝国19代国王、ジャック・フォン・ヴォルケは死の直前、こう呟いたと言う。


「私の最高傑作は……お前だ…フィリップ」


 ーーーーーーーーーーー



 ロスクルド帝国首都ドルーアの中心街に、その建物はあった。


 ロスクルド帝国の国王が代々住んでいると言うヴォルケ邸。


 その中に、ピンクの髪の毛を2つに結んだ女がいた。メロルだ。


「フィリップ様。想定通り六槍師が動き出しています。当初の目的に移りますか? 」


 椅子に座っていた男が立ち上がる。

 白い肌にややクセのある髪の毛。目にかかりそうなほど伸ばした前髪は真ん中で分けている。


 この男は何を考えているのだろうか。考えが全く読めない表情の男が口を開く。


「もっと人々の恐怖に怯えた顔が見たい。街への攻撃を続けろ。邪魔するものは殺せ。」


「はっ」


 メロルは返事をし、部屋から出ていく。


「六槍師、ふん。ちょうどいい」

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