第20話
(20)
「田中さん、あなたは今幾分か気分が乱れて混乱されているかもしれませんが、それでも僕が九州の大分で知った全ての事実を帰りの新幹線で組み立てていた時のような混乱なんてもんじゃないでしょう。
あなたは、全ての謎をはじめから知っている『犯人』です。そうまるで劇を作り上げる脚本家のようにあなたは最初から全てを知っているのです。
しかしながら僕はこの事件の依頼を受けた依頼主である蓮池法主の為に、事件を整理立てて報告しなければなりません。
なに…田中さん、何もそんなに固くならないで下さい。さぁ胡坐をかいて、もしよければビールでもお注ぎしましょう。
そうです。そうやって楽にして下さい。
では今から僕が帰りの新幹線で組み立てたこの事件のいきさつや背景、そしてあなたが犯した犯罪を話します。
もし何か違う点があれば、その時申し出てください。二人で共に事件の事について知り尽くすことはあの『三四郎』の時と同じように大事です。
では、始めましょう」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます