第2話 ロリ先生の登場

 いつものようにベンチに座っていると、ピンク色のボールが転がって来た。それを追いかけて来たのは、5、6才の女の子。薄紫っぽい色のモフモフな服を着ていて、可愛い。髪はショートで、ロングの方が好みなのだが、それでも可愛い。ボールを手に取り、


「はい、どうぞ」


と俺が優しく言うと、


「ありがとっ」


とはにかみながら言われた。ますます可愛い。だが、初対面でいきなりボディータッチは嫌われると思ったので、欲を何とか堪え、走って行く姿を見つめた。すると、今まで気付かなかったのだが、少し離れたところに、こちらを見つめる女の子を見つけた。5才ぐらいだろうか。しかも、めちゃくちゃ可愛い。いや結構マジで可愛い。ロングの髪に黒いロリータ服を着て白い小さなバッグを身に付け、更に透き通った白い肌に、ちょうど良いサイズの目、小さな鼻、ふっくらした唇と、かなり顔が整っていた。ちょっと怒っている感じが、これまた可愛い。正直、ドタイプだった。「どうしたの?」優しく声をかけたつもりだったのだが、あまりの可愛さに性欲と心臓が高まって、声が震えてしまった。その子はため息を一つつくと、


「今見てたけど」


と、怒りのニュアンスを含んだ声でそう言って、近づいて来る。声もかなり可愛い。そして、俺の目の前に来て、腰に手を当て、


「あなた、それでもロリコンなの?」


と言った。俺が何を言われているのか分からず、混乱していると、腰から上半身を折り曲げて、顔を近づけてきた。心臓がバクバクしている。「え?」やっとのことで声を絞り出したが、それは拍子抜けしたものだった。


「あの子のこと可愛いって思ったのよね?それなのになんで体も触らず逃がしたわけ?」


その子のキャラが段々分かって、心臓が落ち着いてきたので、質問に答える。


「いや、初対面で触ったら、嫌われるかなぁって思って...って、子どもに何言ってんだ?俺」


俺はバカか。いくら態度が大人でも、相手は子ども。こんなこと話すなんて、間違ってる。すると、


「はぁ~~...」とその子は大きなため息をついた。


「あなたいくつ?」


「32だよ」


「いつからここにいるの?」


「25ぐらいからだったと思うよ」


するとその子は目を細めて、


「大人の女性に興味ないでしょ。まさか童貞?」


と聞いてきたので、


「そうだよ。よくそんな言葉知ってるねぇ~」


と、ほめると、


「私を子ども扱いしないで。てか、一度もヤったことないロリコンが、毎日幼女見てたら、相当ストレスでしょ。「それ」も不満なんじゃない?」


と言ってその子は俺の「それ」を指さした。俺が見ると、気付かないうちに、それが...その...元気になっていた。俺が焦ってコンビニの袋で隠すと、


「まあ無理はないわね。童貞ロリコンが黒髪ロングのロリータ服少女を見たら、誰だって起つわよ。顔も好みなんでしょ?私の顔がロリコン好きの顔なのは大体分かるわ」


と、その子は言った。


「君は一体何者なんだ?」


「家はあるの?あるなら連れてって。教えてあげるから」


「親には言ってあるのかい?」


「それなら気にしないで。家に帰るつもりは無いから」


「でもこれって誘拐になるんじゃない?」


「だから子ども扱いしないでってば」


「いや子どもじゃなくてもお持ち帰りは誘拐じゃね?」


と言ったのだが、彼女は無視して歩き出した。

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