　　　「じゃあ、始めましょうか」

という彼女の言葉で、授業が始まった。

　彼女は俺の正面に立ち、腕を組むと、

「まず、覚えておいて欲しいのは、例外もあるけど、ロリは触った方がなつくものなの」

と言った。

「じゃあ先生、ロリを触りまくれば人気者になれますか?」

と、俺が純(?)な心で聞くと、

「例外もあるって言ってわよね?」

と言われた。

「まず、初対面の場合は、さりげなく頭や肩を触ると良いわ。ここでポイントだけど、「さりげなく」よ。悪意のある触りは相手にきっちり伝わるからね...?」

と、彼女は俺をしっかり見ながら言った。

「例をあげるとすると...昨日の公園かしら。女の子がボールを追いかけてきたでしょ?あんな触りの絶好のチャンス、滅多にないわよ?自分と女の子が近距離で、その子の親もいない。更に周りに人がいない。あれは千載一遇のチャンスだったのよ?あれを例にして説明すると、ボールを渡した後に、あの子の頭に優しく手を置いて、「気を付けて遊ぶんだよ」って言いながら髪を軽く撫でる。はい、やってみて」

と彼女は言って、俺をマネキンの前に誘導した。

「そのマネキンを、あの子だと思って」

と彼女が言うと、マネキンの身長が5歳児ぐらいというのもあって、マネキンが段々あの子に見えてきた。言われた通り、頭に優しく手を置く。

「ダメ」

「え?」

「置き方が欲丸出しだったわ」

どうやら、無意識のうちに、性欲が出てしまっていたらしい。

　俺はその後も、しゃべり方や触り方で注意を食らい、本当の最初の最初の練習で、一時間も使ってしまった。すると彼女は、

「やっと終わったわね。次は、その1回目の触りが終わった後よ。ちなみに、1回目は頭·肩の触りで絶対に終わらせてよ?その他諸々は、相手に不安感を与えるから、絶対ダメ。1回目を無事やり遂げれば、おのずと2回目がくるわ。2回目は、シチュエーションごとに変わってくるんだけど、まず、またボールが転がってきた場合。この場合は、取りに来た子に対して、「あれ?2回目だぞ～?」みたいなおもしろい感じでなおかつ明るく言って、その勢いで相手のわき腹なんかをくすぐる。1回目で信頼を得ていれば、性器とかその周辺以外はどこ触っても基本的に大丈夫だけど、油断しちゃダメ。2回目は、攻めてもわき腹よ。次に、こっちから呼ぶ場合。ボール遊びをしなくなったり、何日待ってもボールが転がってこない場合は、こっちから呼ぶしかないわ。その子に手招きしたら、1回目を成功させていれば、ちゃんと来てくれるはずよ。そしたら、ベンチの隣に座らせて、「誰と遊んでたの?」とか、「お父さんお母さん、来てる?」とか聞く。そしたら、タイミングを見て、「そういえば」とかなんとかって言って、その子の手を取るの。そして、「やっぱりお手手冷たい。寒くない?」って聞きながら、手を優しく握るの。ここまで注意点が二つ。まず、何も言わずに相手の手を取らないこと。無言で手を取ったりすると、相手はビックリして、せっかく1回目で築いた信頼も、一瞬で消え去るから。次に、自分の手は温めておくこと。手を握った時、温かい手だと、相手は安心するのよ。あと、冷たい手で相手の冷たい手を持って、「寒くない?」ってブーメランになるでしょ。だから、自分の手は温めておいて。それぞれの場合の仕上げだけど、ボールが再度転がってきた場合は、くすぐった後、ボールを返して、「バイバイ」って言って手を振る。相手が笑って振り返してきたら成功よ。次に、自分から呼んだ場合は、手を握ってる時に、「温かい?」って聞いて、相手が頷いたらちょっと間を空けて手を放す。そしたら、「自分はいつでもここにいるから、またおいで」って言って手を振る。笑ってなくても、相手が手を振り返したら成功よ。このように、ロリには、「優しい若干のお触り」が有効なの。じゃあ、やってみるわよ」

と言って、やっぱり俺をマネキンの前へ誘導した。お察しの通り失敗続きで、

「じゃあ、今日の授業はこれぐらいにしておくわ」

と彼女が言った時には、もう時刻は午後5時になろうとしていた。