第18話 いつもと違う昼食

 買ってきたおもちゃを袋から出し、軽く整理した後、俺は昼食を摂らずに帰ってきたことを思い出して、彼女に、


「そういえば、昼ごはん食べてこなかったけど、どうするの?」


と聞くと、彼女は、


「今日は近くのレストランで食べようかと思って」


と言った。近くにレストランなんてあるんだ。どこら辺なんだろう。和食はあるかな。なんてことを考えていたら、お腹が空いてきてしまった。まだ11時だったが、我慢できそうにないので、彼女に、


「ちょっと早いかもだけど、お腹空いちゃった」


と言うと、彼女は、


「そういうことなら、早めに済ませちゃいましょ」


と言ってくれた。早速彼女が上着を着直したので、俺も脱いだばかりの上着を着直し、玄関に向かった。

 家を出ると彼女は、いつも買い物などに行く方向とは逆の方向に歩き出した。彼女の手袋を握り、付いていくと、5分程度で小さなレストランに着いた。木で出来ていて、無駄な装飾などが無く、全く隠れていないのに、隠れ家のような雰囲気があった。

 こんなレストランが近くにあったんだなぁと思いながら店内に入ると、目立たない外見とは対照的に、かなり多くの人が入っていた。ドアが閉まると、こちらに気付いた店員がやってきて、


「2名様でよろしいですか?」


と聞いたので、


「はい」


と答えると、店のちょうど真ん中ら辺の席に通された。置いてあったメニュー表を見て、俺がハンバーグ定食、彼女がカルボナーラとサラダのセットを頼むと、店員は、カルボナーラは少なめで作りますねと言った。子どもへの気遣いもしっかりしている。

 料理が到着するのを待っている間、俺が何気なくメニューを見ていると、価格がかなり良心的なことに気付いた。料理が届き、口に入れると、安い割にきちんと味もおいしかったので、こりゃ人気になるわと思った。満足していた俺だったが、彼女がサラダを食べているのを見ていると、心の中に罪悪感が生まれてきたので、追加でサラダを注文し、食べた。

 その後会計を済ませ、家に帰ると、授業開始までの時間を、今日の授業が何なのかを考えることに費やした。

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