前のエピソード――第5話　ロリ先生の入浴と俺の性欲

　俺は浴室を前にして興奮が再燃した。

(もう少しで...もう少しで夢の時間が...!!)

なんて思いながら服を脱ぐと、

(♪～お風呂が沸きました。)

と、また聞こえてきた。あれ?風呂はもう沸いてるんじゃ...と思っていると、

(ドンドン)

と、脱衣場のドアが叩かれた。俺はほとんど無意識でドアをあけると、

「キャッ!!」

と言われ、顔を伏せられた。そういえば、俺は今、全裸だった。顔は伏せられて見えないが、耳まで真っ赤になった彼女を見て、

「ごめんごめんw」

と言いながら俺はドアを閉めた。すると、

「もう!!私も一応女性よ?!」

と言われたので、

「だから、ごめんってw」

と言うと、彼女は大きなため息をついて、

「まあいいわ。それより」

と話し出した。

「使用済みの浴槽は嫌だろうから、新しくお風呂を沸かしたわ。ぬるめの40度で。安心して。浴槽をもう一度洗ってから沸かしたから、清潔よ。それじゃあ、ごゆっくり～」

と言って、彼女はリビングへ戻って行った。(新しく...お風呂を...沸かした...だと...?!じゃあ、彼女の浸かったお湯は...ない?!)

意気消沈した俺は、勢いよく浴室に入り、泣きながらシャワーを浴びた。

(俺の...俺のロマンが～!!)

その勢いでガシガシ全身を洗い、やけくそで浴槽に入った。すると、お湯はぬるめで気持ちよく、思いの外長風呂してしまった。

　お湯に浸かっている時、彼女が来て、なんか色々狂ってるけど、幸せな日だったなぁ...「何日間」と言わず、いつまでもここにいればいいのに...なんて考えてる間に彼女を見たくなった俺は、風呂からあがると、歯磨きをしてリビングへ向かった。

　彼女は、テレビもつけずに180度開脚し、お腹とおでこを床にぴったりくっ付けていた。ついでに胸も。

「体柔らか!」

「あら、あがったのね。本当にゆっくり浸かってたみたいだけど」

時計を見ながら彼女は言った。

「まあね。それより、今何してたの?」

と聞くと、

「柔軟運動よ。お風呂上がりはゴールデンタイムだから」

と教えてくれた。俺もやってみよ～と、彼女の隣で見よう見まねで開脚したは良かったが、自分の体の硬さにガッカリしただけで終わった。

「俺、そろそろ寝室行くけど、どこで寝る?ここの元家主の寝室ならあるけど。それとも俺と一緒に寝る?」

「あなた、さっきから発言がセクハラよ?まぁ、私は平気だけど。夜はここにいるから大丈夫。おやすみなさい」

いや平気なんかーいとは思ったものの、俺は

「分かった。おやすみ。」

と言って寝室へと向かった。歩きながら、俺はさっきの彼女の発言の意味を考えていた。(夜はここにいる...?寝ないということか?)

　結局意味は分からなかったが、彼女が大丈夫というのなら大丈夫なのだろう。そう割りきって、自分の寝室に入る。そして、ベッドの横に置いてあったスマホに電源を入れる。スマホなんて、夜以外ほとんど使ったことはない。昼間使ったことといえば、保険会社と電話を何回かした時ぐらいだ。

　布団の中に入ると、俺はいつものように小説サイトを開き、フォローしている人の新作が無いか確認する。今日はたまたま好きな作家さんが新作を投稿していた。恋愛小説らしい。ワクワクドキドキで読み進め、幸せいっぱいで、第1話を読み終える。時刻はすでに23時を回っていた。下からは物音が聞こえてくるから、彼女はまだ起きているのか?と気になったものの、俺は眠かったので、寝ることにした。