概要
悪徳の街、背徳の象徴、ソドム。
ソドムの罪とはつまり、色欲、性の乱れである。
妻を持ちながら、彼女を愛し、彼女に溺れてしまった私も、ソドムの民と変わりない。
教徒たる私を、神は決して許しはしないだろう。
しかも、人ならざる者である彼女を愛したとなれば、なおさらだ。
私に降り注ぐのは天の火か、それとも――
以下の企画に参加し、ツイッターにてお題を頂いて執筆した作品です。
タグに設定している単語が、頂いた8つのお題です。
Twitter連動企画【#リプで来た要素を全部詰め込んだ小説を書く】
https://kakuyomu.jp/user_events/1177354054894121865
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!素晴らしき名作でもあり、とんでもない問題作でもある。
主人公は敬虔な牧師です。
しかし、日本から来たという『妖狐』と出会うことにより、彼は変わってしまいます。
愛する妻がいながら、美しい妖狐に心を奪われてしまう主人公。
甘い言葉にそそのかされるように、彼は禁忌を犯します。
異種の者と交わる背徳感。
罪悪感を抱えながらも、沸き上がる欲望を持て余した彼は妖狐との関係を繰り返してしまいます。
そして、ついには取り返しのつかない禁忌へと手を染めてしまいます。
それらの一連の展開は流れるように自然で、その場面を目撃しているかのような迫力があります。
物語の設定はドロドロしているように思いますが、作者の筆力ゆえに、背徳感・欲望・葛藤でさえ美しく表現さ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!この作品は『聖』が地獄の業火に焦がれる匂いがする。
ーー『ソドムとゴモラ』
遥か古代の聖典に、
その名がある堕落の都。
罪深き人類に訓戒を伝えるこの街を
闊歩したであろう人間達の踵音が
この小説からは
ひしひしと聞こえてきます。
愛を罪に落とし
欲を至上のものと信じるソドムの人々。
そんな彼等に対する作家自身の哀憐と深く鋭い眼差しが、
西洋と東洋を織り混ぜた『悪、欲、美』でこの作品は彩られています。
この作品は人間としての『性』と『聖』の交わりを苦しみと諦めをなぞらえながら
非常に深い洞察で
人間の根源をテーマとして掘り出している秀作と言えます。
本作は
地獄の業火を感じたいあなたに
是非、送りたい秀逸な作品です。
日南田ウ…続きを読む - ★★ Very Good!!12種の要素を詰め込んで、ここまで組み上げる筆の力
(本人曰く、隠し要素として4つほど追加して書いているとのことなので、12種としています)
圧巻ですね。完全には解明されずに終わる要素がありますが、それは想像の余地を残しているという感じでしょう。
宗教的な感じ(宗教ではない)をここまでにも添いながら書きつつ、異種間の考えの違いなんかを書き上げています。
そして、内容も要素を感じさせないまま書いていますよね、判り切った要素記号じゃないのが凄い。
さすが稀山、というしかしかないですねこれは。
それでいて満点じゃないのは、最後の最後はちょっと気に食わんかったからです(笑)蛇足かなー。