概要
天まで届く階段都市クルケアン、なぜ少年はその頂を目指すのか
雲よりも高くそびえたつ階段都市クルケアン。最下層に住むセトは幼い頃から頂上を目指しては失敗していた。その様子を見守っていた都市の住民は、セトが上層に近づくほどに捻じれた歴史の真実に気づいていく。大階段を登り、天に至った者だけが望む世界を手に入れることができると知った時、クルケアンの内乱は戦争へと拡大する。――その階段は神が降りるためのものなのか、それとも人が神に会いに行くためのものなのか。家族の絆をテーマにしたファンタジー小説。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!故に彼は天頂を目指す
本作は天を目指して建設される階段都市を舞台に、天頂を目指す主人公、幼馴染みの少女、兄貴分の騎士、真実を求道する神官たちの活躍を描く物語です。各話で最初にシーンの説明があり、様々な人物の視点で展開されていくことから群像劇の様相を呈しています。
まるでバベルの塔がごとく天高く聳え立ち、今もなお建築が進められる都市は内部に様々な機構を有しており、あたかも国のような重厚さを誇ります。また、住民に与えられる祝福という個別的な力も物語を彩る重要な要素になっています。
果たして階段都市建設の真の目的とは、主人公に与えられた印の祝福の正体とは、全く見たことのない新しいファンタジーがあなたを待っています。 - ★★★ Excellent!!!この世界、妥協なし
細部まで作り込まれている世界観がすごい!
話数が多く感じられる方がおられるかもしれませんが、軽快なテンポでお話が進んでいくので最新話まであっという間に読めます。しかし内容が軽いかというとそんな訳ではない。各人物達の心情、友情などに焦点があたる時、作品にぐっと引き寄せられます。階段を登る理由。戦う理由。クルケアンの謎……。それらが垣間見えたり発覚するとき、時間を忘れて読み込んでしまう自分がいました。
そして個人的に推したいのは何と言っても竜の騎士団のカッコ良さ!強さ!タフさ! 群像劇に少し苦手意識があったとしてもここまでは是非読んでもらいたいです。濃密な読書体験がしたい時にお勧めです。