概要
とことん惨めで、ちっとも上手くいかない僕の恋。
「謝りたかったんだ。今までのこと。……二年前から、ずっと」
海辺の町で暮らす俊貴の元へ、二つ年上の幼馴染・灯莉が二年ぶりにやって来た。
バスケットいっぱいのサンドイッチと、大学の合格通知書を持って。
捨てられない初恋に苦しむ、片思いの物語。
※タイトルは『みぎわのあかり』と読みます。
海辺の町で暮らす俊貴の元へ、二つ年上の幼馴染・灯莉が二年ぶりにやって来た。
バスケットいっぱいのサンドイッチと、大学の合格通知書を持って。
捨てられない初恋に苦しむ、片思いの物語。
※タイトルは『みぎわのあかり』と読みます。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!一点の灯に囚われた、苦く辛い初恋
初恋という言葉の初々しい響きとは全く異なる、重たい痛みを持って描かれた物語です。
主人公の心象描写はどこか自虐的で、それでも少しだけ希望を持ちたいという甘さも垣間見えて、すべての感情が痛々しいほどに繊細です。その思いは緻密に描写された風景にも映し出され、読んでいる側にも苦くて辛い潮風の味がします。
その恋は一点の灯台の光なのか、それとも呪縛なのか。手離せない感情をボトルメールに例え、それを流せないままに抱き続ける主人公の姿が切ない。
サンドイッチ、灯台、海といった小道具やモチーフが全編で重要な役割を果たしていて、その使い方の巧みさや物語の構成にも唸ります。
一文一文に隙のない、美しい文章で綴…続きを読む