指導者篇(十一):謀略

謀略




■相手の意図を見抜いて封じる

諜報で策謀を巡らす相手の言行・思惑・兆候などの情報を集める

相手の意図を早期に見抜いて封じてしまえば戦に臨まなくても勝てる

こちらの意図を読まれない限り敗北は回避しやすいので油断させる

《『孫子』始計篇第一より》

《『司馬法』定爵篇第三より》

《『三略』中略より》

《『諸葛亮集』将苑後応より》

《『三十六計』第三十三計より》

《『河陽兵庫之記』より》

《図説『山鹿流兵法』第一章、第二章、第五章より》

《『兵法家伝書』活人剣 下より》

《『政略論』第三巻六、十八より》




■手の内が複数あるように思わせる

手の内を秘匿し相手に「こちらはこう行動しそうだ」と複数思わせる

相手はそれぞれに対応せざるをえなくなり注意・戦力を分散してくれる

通常は相手に最も厳しい策を採用するがそう思わせて誘い込むのもよい

つねに行動の選択肢を提示する側に回り、相手の思惑に乗らないこと

《『三十六計』第一計より》

《『戦略論』第一部第二章より》




■相手が攻めてきそうなら

まず相手の攻め手が小さいうちに攻め手の芽を摘み取ってしまうこと

小さければ戦力をじゅうぶん発揮させずに封じ込めることができる

攻め手が大きくなっているときはうまくかわしてやり過ごすこと

かわしてしまえば相手の矛先が他組織へ逸れて潰し合いをしてくれる

《『戦国策』楚より》

《『韓非子』十過より》

《『兵法家伝書』活人剣 下より》

《『政略論』第三巻六より》




■人を動かす

相手に「ここでやらないと○○を失うことになる」と恐怖を与える

恐怖を与えられると人は動かざるをえなくなる

相手に「ここで動いたほうが得だ」と思わせる

得だと思えば人は自らの意志で動きたくなる

相手が「○○だからできない」と言ってくるときもある

そのときは「どういう前提ならできるか」を尋ねて言い逃れさせない

動かない相手を無理強いしてでも動かすときは、相手に感謝し続ける

それでも動きなくないなら、資金や物資を代償として提供させる

《『戦国策』秦、斉、楚、趙、魏より》

《『河陽兵庫之記』より》

《『甲陽軍鑑』品第四十一より》

《図説『山鹿流兵法』第一章より》

《『政略論』第三巻六より》




■こうしてきたら堪らないとウソをつく

謀略の基本は離間・仲間割れ・事実誤認の各による工作

間者や使者に「貴国がこうしてきて敗北必至」というウソをつかせる

耳に入れた側は短絡的に「ならそうしてやろう」と実行に移しやすい

《『三十六計』第二十八計より》

《『戦国策』秦、趙より》

《『河陽兵庫之記』より》

《図説『山鹿流兵法』第一章より》




■相手を操る

まず途方もないことを言い、それを見事なまでに「大失敗」してみせる

相手はこちらを過小評価するようになる

相手の寵愛する者を抱き込み、こちらの有利になるよう働きかけさせる

感情を煽って激発または抑え込めば同士討ちや準備不足や降伏させられる

逆に相手が「大失敗」したのを見たら「罠」の存在に留意すること

《『孫子』始計篇第一より》

《『三十六計』第二十七計より》

《『戦国策』趙より》

《『甲陽軍鑑』品第三より》

《『政略論』第三巻四十八より》




■内部分裂させる

相手の一派に「建前の大義名分」を与えてそそのかし分裂させる

分裂一派から援助を頼まれても事情がないかぎり武威のみにとどめる

基本は同士討ちさせて消耗を強いればよい

戦争状態にあっても絶えず相手を分裂させこちらに組み入れること

《『孫子』作戦篇第二より》

《『尉繚子』兵教下篇第二十二より》

《『六韜』武韜の巻文伐篇第十五、三疑篇第十七より》

《『三十六計』第九計、第三十五計より》

《『易経』繋辞上伝より》

《『論語』微子第十八より》

《『韓非子』内儲説下より》

《『河陽兵庫之記』より》

《『甲陽軍鑑』品第四十一より》

《図説『山鹿流兵法』第一章、第二章、第五章より》

《『政略論』第二巻二十五、三十二、

      第三巻二十七より》

《『戦略論』第三部第十五章より》




■信用を貶め猜疑心を煽る

「貴方の○○を損ねようとしている」と相手の損失を説き猜疑心を煽る

「貴方の利益になる」と相手の利益だけを説いて損失を教えず唆す

「ライバルの利益になる」と利敵行為を説いて粛清させる

分裂工作はいかに「疑いを煽って」信頼を突き崩すかにかかっている

疑いが甚だしいと真実でなくても団結が削がれ処断せざるをえなくなる

片方だけでは和解しかねないので双方に猜疑心を持たせてこじれさせる

《『六韜』武韜の巻文伐篇第十五、武韜の巻三疑篇第十七より》

《『三十六計』第九計より》

《『戦国策』楚より》

《『論語』微子第十八より》

《『河陽兵庫之記』より》

《『甲陽軍鑑』品第二十七、第四十一より》

《図説『山鹿流兵法』第一章、第二章より》

《『政略論』第三巻六より》




■手強い指揮官をすげ替えさせる

相手の手強い指揮官は、戦う前に前線から遠ざけさせてしまえばよい

後釜に侮られる類の指揮官を任命させれば戦わずして相手は弱体化する

《『孫子』始計篇第一より》

《『墨子』公輸より》

《『韓非子』内儲説下より》




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