指導者篇(四):人事

人事




■責務を自覚させる

各の責務を自覚させれば人々は団結して難事業も成し遂げられる

人々の豪奢を制限し、爵位と俸禄で身の処し方に差をつける

《『呉子』図国篇第一より》

《『司馬法』仁本篇第一、天子之義篇第二、定爵篇第三より》

《『尉繚子』戦威篇第四、原官篇第十より》

《『六韜』文韜の巻大礼篇第四、上賢篇第九より》

《『三略』上略、下略より》

《『孫ピン兵法』上篇士殺より》

《『諸葛亮集』将苑将志より》

《『孟子』滕文公より》

《『墨子』兼愛下、天志より》

《『荀子』非十二子より》

《『管子』立政より》

《『韓非子』孤憤より》

《『貞観政要』礼楽篇より》

《『三事忠告』廟堂忠告、牧民忠告より》




■委任したら成果以外に口を出さない

部下に仕事を任せたら、その成果のみに口を出し、過程には口を出さない

そのため折を見て進捗状況を聞き取り、達成可能か協議すること

未達に終わりそうなら部下の役職を解き、達成可能な部下に担当させる

《『孫子』謀攻篇第三より》

《『尉繚子』戦威篇第四、原官篇第十、将令篇第十九より》

《『李衛公問対』下の巻より》

《『六韜』竜韜の巻立将篇第二十一より》

《『三略』上略、中略より》

《『諸葛亮集』将苑出師、仮権より》

《『戦国策』趙より》

《『春秋左氏伝』晋の復覇の時代より》

《『老子』より》

《『列子』黄帝より》

《『莊子』応帝王より》

《『論語』泰伯第八、子罕第九、憲問第十四より》

《『孟子』梁恵王、公孫丑より》

《『中庸』知より》

《『韓非子』外儲説より》

《『三事忠告』廟堂忠告より》

《『君主論』第一四章より》

《『政略論』第二巻三十三より》

《『闘戦経』第三十二章より》

《『河陽兵庫之記』より》

《図説『山鹿流兵法』第四章より》

《『重職心得箇条』第一条、第十一条より》

《『言志四録』言志録、言志耋録より》

《『ランチェスター思考II』一部三章、四章、

              二部十一章より》


《『戦略論』第四部第十九章より》




■身分による責務

指導者は、人材を選んで補佐させ民生と国務を破綻させないこと

幹部は、指導者を補佐して物事を適切に処理し、国を治めること

部下は、身を修め、能力を身につけて将来の幹部になること

官僚は、君命を受けてその職務を円滑に全うすること

人々は、農耕鉱工業など一次産業に励んで国家の財政を豊かにすること

《『呉子』図国篇第一より》

《『司馬法』仁本篇第一、天子之義篇第二、定爵篇第三、

      用衆篇第五より》

《『尉繚子』原官篇第十より》

《『六韜』文韜の巻大礼篇第四、上賢篇第九より》

《『諸葛亮集』将苑三賓、和人、

       便宜十六策賞罰より》

《『論語』学而第一、為政第二、八佾第三、子罕第九、

     顔淵第十二、季氏第十六より》

《『孟子』滕文公より》

《『荀子』王制、富国より》

《『中庸』徳・中庸より》

《『管子』形勢、権修、立政、五輔より》

《『韓非子』孤憤、五蠧より》

《『三事忠告』廟堂忠告、牧民忠告より》

《『呻吟語』第三章、第五章より》

《『闘戦経』第四章より》

《『甲陽軍鑑』甲陽軍鑑末書九品之八より》

《『甲陽軍鑑』品第四十より》

《『五輪書』地之巻より》

《『重職心得箇条』第十三条より》

《『言志四録』言志録、言志後録、言志晩録、言志耋録より》

《『政略論』第一巻十より》

      第三巻二十五より》




■部下の好きなことを見極めて適職に就ける

部下が好きだと思う職種に就ければ、部下は楽しみながら仕事ができる

言われなくても仕事に精を出し、必ず結果が出るまで粘ってくれる

部下が嫌いだと思う職種に就ければ、能力があろうとも張りきれない

部下は何が好きで何が嫌いかを知っていなければ人事を行なえない

短所は後に努力を積んで改善を図ればいいが長所はいかんともしがたい

人に多くのことを期待せず、持ち合わせている長所を活かしてやる

《『呉子』治兵篇第三より》

《『六韜』文韜の巻六守篇第六より》

《『三略』上略より》

《『諸葛亮集』将苑知人性、択材より》

《『戦国策』斉より》

《『老子』より》

《『論語』為政第二、雍也第六より、郷党第十、先進第十一、

     顔淵第十二、子路第十三、憲問第十四、衛霊公第十五、

     季氏第十六、堯曰第二十より》

《『荀子』王制、臣道、儒効より》

《『大学』より》

《『管子』中匡、牧民、形勢より》

《『呻吟語』第三章、第五章、第六章より》

《『菜根譚』前集より》

《『闘戦経』第十五章、第四十一章より》

《『甲陽軍鑑』品第三十、第四十、第四十一より》

《『五輪書』地之巻より》

《『負けない奥義』第三章より》

《『重職心得箇条』第七条より》

《『言志四録』言志録、言志後録、言志晩録より》




■幹部・官僚の人選

分野の才能と実績、人を惹きつけ徳のある逸材を抜擢して厚遇する

幹部に選ばれた者の職責と権限は予め明確にしておく

敵から得た逸材が指導者以上なら、別領に配して私利を阻止し役立てる

《『呉子』図国篇第一、論将篇第四より》

《『尉繚子』兵談篇第二、戦威篇第四より》

《『六韜』文韜の巻文師篇第一、上賢篇第九、挙賢篇第十、

     武韜の巻文啓篇第十四より》

《『三略』上略より》

《『孫ピン兵法』上篇行簒、官一より》

《『諸葛亮集』将苑知人性、腹心、勝敗、三賓より》

       便宜十六策考黜より》

《『春秋左氏伝』晋の文公制覇の時代より》

《『戦国策』斉、趙より》

《『墨子』親士、所染、尚賢下より》

《『荀子』臣道、儒効より》

《『管子』大匡、形勢、立政、重令、五輔、覇言より》

《『貞観政要』択官篇、公平篇、崇儒学篇より》

《『三事忠告』廟堂忠告、牧民忠告より》

《『呻吟語』第四章より》

《『甲陽軍鑑』信玄全集末書上巻之六より》

《図説『山鹿流兵法』第四章より》

《『兵法家伝書』殺人刀 上より》

《『言志四録』言志録、言志後録、言志晩録より》

《『君主論』第三章、第二二章より》

《『政略論』第一巻四十八、六十より》




■補佐・部下の人選

魅力に欠けるが冷静に判断でき、逸材の短所を補える者を補佐にする

幹部の下に幹部候補を配し、後継となる人材の育成を心がけさせる

《『六韜』文韜の巻挙賢篇第十、

     竜韜の巻王翼篇第十八より》

《『諸葛亮集』将苑腹心、善将、三賓より》

《『墨子』尚賢下より》

《『三事忠告』廟堂忠告より》

《図説『山鹿流兵法』第四章より》

《『君主論』第二二章より》




■能力と善悪の優先度

「ほどほど有能だが人望がある」者を幹部にする

「有能だが悪どい」者はその補佐にする

幹部が悪どいと部下はそれを指摘できずに組織が腐る

能力が足りないだけなら部下が補助できるので、人事は人望を優先する

《『六韜』文韜の巻六守篇第六より》

《『三略』上略、中略より》

《『墨子』尚賢下より》

《『荀子』臣道、儒効より》

《『管子』立政、重令より》

《『呻吟語』第二章より》

《『菜根譚』前集より》

《『重職心得箇条』第十一条より》

《『言志四録』言志晩録より》

《『政略論』第一巻四十八より》




■前指導者の側近人事

前側近は前指導者が直接解任し、新指導者が就任後改めて再登用する

前側近は新指導者に恩義を感じて、誠実に取り組むようになる

《『李衛公問対』下の巻より》




■能力のある者を推薦させる

上下が目標を共有するために、組織の枠を越えて広く人材を求める

能力のある者はたとえ仇敵であろうとも幹部に推薦させる

能力の無い者や地位を鼻にかける者は上訴させて退職させる

部下から上訴があれば「誰が上訴したのか」を把握する

内容を精査し、幹部・部下いずれかを処罰する

「道に外れる」ことを進言・吹聴する輩は「非道」を理由に厳罰に処す

《『孫子』始計篇第一より》

《『呉子』図国篇第一、論将篇第四より》

《『尉繚子』兵談篇第二より》

《『六韜』文韜の巻挙賢篇第十より》

《『三略』上略より》

《『論語』憲問第十四、衛霊公第十五より》

《『管子』大匡、立政より》

《『貞観政要』公平篇より》

《『三事忠告』廟堂忠告、風憲忠告より》

《『呻吟語』第五章より》

《『河陽兵庫之記』より》




■自分から売り込みに来る者を訝しむ

己から売り込みにくる者には真の賢者もいるが大方は地位欲しさの悪人

その仕事ぶりを観察して能力を持て余す類は、真の賢者かもしれない

売り込みに訪れるばかりか賄賂まで用意する輩は間違いなく悪人である

《『尉繚子』十二陵篇第七より》

《『三略』上略より》

《『三十六計』第十四計より》

《『論語』公冶長第五より》

《『管子』牧民、立政より》

《『貞観政要』択官篇より》

《『三事忠告』風憲忠告より》

《『菜根譚』前集より》

《『河陽兵庫之記』より》

《『戦術論』第一巻より》




■横口に惑わされない

指導者と親しい者複数が否定すると有能だろうと左遷の憂き目を見る

信頼に足る大人物なら横口を入れてきても構わず信頼し続けるべき

一度追放してしまうと、相手はその恨みを果たす機会を窺ってくる

逆に徒党を組んで無能者を推挙してくる連中もいるので要注意

《『尉繚子』十二陵篇第七より》

《『六韜』文韜の巻大礼篇第四、上賢篇第九より》

《『三略』上略より》

《『諸葛亮集』将苑将弊、謹候、和人、

       便宜十六策賞罰より》

《『戦国策』斉、趙より》

《『論語』顔淵第十二より》

《『孟子』滕文公より》

《『墨子』七患より》

《『荀子』王制、臣道より》

《『大学』より》

《『中庸』知より》

《『管子』立政、重令より》

《『韓非子』孤憤より》

《『貞観政要』政体篇、杜讒邪篇、刑法篇より》

《『三事忠告』牧民忠告より》

《『呻吟語』第六章より》

《『菜根譚』前集より》

《『河陽兵庫之記』より》

《『甲陽軍鑑』甲陽軍鑑末書九品之八、

       品第三十九、四十一、五十より》

《『言志四録』言志録より》

《『君主論』第二三章より》

《『政略論』第一巻八、

      第二巻二十六より》

《『重職心得箇条』第二条より》




■愛しさや憎さで評価しない

愛しさや憎さという感情で評価すると、誤った人物鑑定になる

寵愛して特権を与えると怨まれ、憎悪して卑下に扱うと疎んじられる

つねに法による統一された評価をし、遠ざけるか近づけるか判断する

多くの人々は噂や評判やその人の人付き合いから人物を判断するもの

《『六韜』文韜の巻挙賢篇第十より》

     竜韜の巻選将篇第二十より》

《『三略』上略より》

《『戦国策』斉より》

《『列子』説符より》

《『墨子』尚賢下より》

《『貞観政要』刑法篇より》

《『呻吟語』第二章より》

《『菜根譚』前集より》

《『政略論』第三巻三十四より》

《『重職心得箇条』第二条より》

《『言志四録』言志録、言志晩録、言志耋録より》




■失敗の仕方で人となりがわかる

その人が失敗したとき、どのような失敗の仕方をしたか精査する

仕方を調べればその人がどのような性格や傾向を持つのか理解できる

そのうえで適所に配することを心がければよい

能力が高くまず失敗しない人は昇進させて試すことを考慮していく

昇進させて失敗が続くようなら、元職に復して用いること

《『諸葛亮集』将苑知人性より》

《『論語』里仁第四、子罕第九より》

《『貞観政要』択官篇より》

《『河陽兵庫之記』より》

《『甲陽軍鑑』品第五十三より》




■組織再編

組織は無駄が生じやすく、不採算事業を抱えることが多々ある

まず全部署の人々を有能・無能でふるいにかけ、無能のクビを切る

そのうえでこれから専念すべき事業を明確にし、残った有能を配置する

リストラは不採算事業を丸ごと消滅させてはならない

有能な人材まで辞めさせては、専念すべき事業を成功に導けなくなる

次の政略戦略ありきで、のち組織再編に着手しなければならない

《『ランチェスター思考』総論六章より》




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