指揮官篇(三):戦術

戦術




■兵士の不安や迷いを忘れさせる

兵士に不安や迷いがあると勢いに欠ける

死の不安があるのならいっそ絶体絶命の窮地に追い込んでしまうこと

奮戦しなければ生き延びられないとわかれば奮戦せざるをえない

迷いを捨てさせて一心に戦わせれば想定外の勢いがつく

勢いは時間が経てば減衰してしまうものなので、乗せる好機を見極める

《『孫子』九地篇第十一より》

《『呉子』治兵篇第三、励士篇第六より》

《『司馬法』厳位篇第四、用衆篇第五より》

《『尉繚子』制談篇第三、重刑令篇第十三、兵教下篇第二十二、

      兵令上篇第二十三より》

《『李衛公問対』中の巻より》

《『六韜』豹韜の巻敵強篇第四十五より》

《『孫ピン兵法』上篇威王問、簒卒、延気、

        下篇〔将失〕より》

《『諸葛亮集』将苑将善、将誠、軍蠧、勝敗、整師、和人、

       便宜十六策治軍、斬断より》

《『管子』七法より》

《『闘戦経』第十八章、第二十六章、第四十七章より》

《『河陽兵庫之記』より》

《図説『山鹿流兵法』第四章より》

《『兵法家伝書』殺人刀 上より》

《『負けない奥義』第二章より》

《『ランチェスター思考II』一部四章より》

《『言志四録』言志晩録より》

《『政略論』第二巻一、

      第三巻十二、十三、三十三より》

《『戦術論』第四巻より》

《『戦争論』第一編第三章、第三編第三章、

      第四部第十九章より》

《『戦争の変遷』第六章より》




■自信を持たせる

兵士や将軍には勝ち癖をつけさせて自信を持たせること

自信があれば意をよくして作戦に当たることができる

自信がなければやる気を喪失して勝てる作戦でも勝てなくなる

小さくてもよいのでまず勝ちを積み重ねて作戦行動に自信を持たせる

勝てば勝つほど褒賞してやればやる気はさらに加速していく

《『孫子』軍争篇第七より》

《図説『山鹿流兵法』第三章より》

《『政略論』第三巻三十三より》




■攻撃は弱兵・防御は強兵

同兵種・同兵力であれば統率力・士気・必死さが高いほうが優勢となる

攻めている間は求心力が働いてまとまりのない組織でもまとまるもの

守っている間は団結力のある組織もじょじょにまとまりが失くなるもの

弱兵・新兵は攻撃に専念させ、熟練兵に守りを固めさせること

《『孫子』軍形篇第四より》

《『尉繚子』制談篇第三、武議篇第八より》

《『孫ピン兵法』上篇簒卒、官一、

        下篇十問より》

《『諸葛亮集』将苑将誠、軽戦より》

《『三十六計』第八計より》

《『闘戦経』第四十四章より》

《図説『山鹿流兵法』第一章より》

《『政略論』第三巻十一より》

《『政略論』第三巻四十五より》




■探りを入れる

まず相手の出方を観察するため、相手の強みに探りを入れる

整然と構えて怯まないか、旌旗を乱して慌てないかを見る

探りを入れにいって結果敗退するような前哨戦は行わないこと

《『孫子』虚実篇第六より》

《『呉子』料敵篇第二より》

《『司馬法』天子之義篇第二、定爵篇第三、用衆篇第五より》

《『尉繚子』兵令上篇第二十三より》

《『李衛公問対』上の巻より》

《『孫ピン兵法』上篇威王問、

        下篇十問より》

《『諸葛亮集』便宜十六策治軍より》

《『三十六計』第十二計、第十三計、第十七計より》

《『甲陽軍鑑』品第四十一より》

《『兵法家伝書』殺人刀 上より》

《『五輪書』火之巻より》

《『負けない奥義』第二章より》

《『政略論』第三巻三十七より》




■主導権を握る

相手のリズムに乗らず、絶えずこちらからリズムを刻んで仕掛けること

主導権がとれたら相手を強襲し、相手の勢いを不発に追い込む

同時に仕掛けたら相手の目前で態勢を変えて勢いを殺いだら強襲する

主導権をとられたらかわすか受け流すかし相手が揺らいだら逆撃する

《『尉繚子』戦権篇第十二より》

《『李衛公問対』中の巻より》

《『莊子』雑篇より》

《図説『山鹿流兵法』第三章より》

《『兵法家伝書』殺人刀 上、活人剣 下より》

《『五輪書』地之巻、火之巻より》

《『負けない奥義』第二章より》

《『ランチェスター思考』各論九章より》

《『政略論』第三巻四十四より》




■戦況の変化で臨機応変に

戦況は絶えず変化するので、つねに情勢把握に努める

当初定めた作戦を適切に変更して対処する

事前の作戦に固執して思考が硬直化すると相手の策に陥る危険が高まる

戦況に応じて最適な人材は変化するので将兵をタイプで分けておくこと

また可能であれば相手から戦力・食糧などを繰り入れて自己を強化する

使えるものはなんでも使い、武器が無くても体術を用いて自由自在に

《『孫子』勢篇第五、行軍篇第九より》

《『司馬法』厳位篇第四、用衆篇第五より》

《『尉繚子』攻権篇第五、兵令上篇第二十三より》

《『李衛公問対』上の巻、中の巻より》

《『六韜』竜韜の巻王翼篇第十八、論将篇第十九、

         軍勢篇第二十六より》

《『孫ピン兵法』上篇官一、

        下篇十問、〔兵失〕、奇正より》

《『諸葛亮集』将苑将誠、機形、

       便宜十六策治軍より》

《『論語』衛霊公第十五より》

《『管子』七法より》

《『闘戦経』第三十四章より》

《『河陽兵庫之記』より》

《『甲陽軍鑑』品第四十一より》

《図説『山鹿流兵法』第一章、第三章より》

《『兵法家伝書』活人剣 下より》

《『五輪書』水之巻、火之巻より》

《『負けない奥義』第二章、第三章、第四章より》

《『政略論』第三巻三十九、四十より》

《『戦術論』第四巻、第五巻より》

《『戦争論』第一編第六章より》

《『戦略論』第一部第七章より》




■遠距離攻撃に徹する

相手の反撃範囲外からの遠距離攻撃でできるだけ数を減らすこと

奇襲伏兵突撃以外はできるだけ射撃投擲に徹して相手の損害を増やす

こちらから近接戦闘に持ち込まないこと

《『尉繚子』制談篇第三より》

《『六韜』犬韜の巻戦歩篇第六十より》

《『孫ピン兵法』上篇勢備、官一より》

《図説『山鹿流兵法』第三章より》

《『五輪書』地之巻より》

《『ランチェスター思考』各論九章より》

《『政略論』第二巻十七より》

《『戦術論』第二巻より》

《『戦争論』第一編第四章より》

《『戦略論』第一部第四章、第五章、第八章、

      第三部第十六章、

      第四部第二十一章より》




■機甲部隊で突撃

近接戦闘は機甲部隊の突撃により形成すべき

防御力のない部隊の突出は自殺行為でしかない

合わせて機動力を活かして奇襲を駆使すればより効果的

《『司馬法』天子之義篇第二、厳位篇第四より》

《『政略論』第三巻十四より》

《『戦略論』第一部第五章よ、

      第三部第十六章、第十七章より》




■特殊部隊で追撃

状況に応じて事前に編成してある特殊部隊を投入し戦況の大勢を決する

追撃した相手が退きつつも陣形に乱れがないときは逆撃を警戒すること

《『闘戦経』第四十三章より》

《『河陽兵庫之記』より》

《『甲陽軍鑑』品三十九より》

《『五輪書』火之巻より》

《『戦術論』第四巻、第五章より》




■包囲する

野戦で当初包囲下にない相手を撃滅するときは退路を断って殲滅する

「勝利した」と思っても「詰め」を怠らないこと

《『孫子』謀攻篇第三より》

《『司馬法』用衆篇第五より》

《『墨子』非儒下より》

《『戦術論』第四巻より》

《『戦略論』第一部第三章より》




■局所劣位なら退却する

「局所劣位」ならこちらが倒されるから距離をとるか退却する

増援が到着すれば「局所優位」に立てるときだけ守りに徹してもよい

距離をとるか退却するときは「局所優位」が作れるところに移動する

強兵を殿に据え、追撃してくる相手へ逐次反撃を加えながら退却する

《『孫子』謀攻篇第三、地形篇第十より》

《『呉子』応変篇第五より》

《『司馬法』用衆篇第五より》

《『尉繚子』守権篇第六より》

《『李衛公問対』上の巻より》

《『諸葛亮集』将苑将誠より》

《『三十六計』第三十六計より》

《『論語』微子第十八より》

《『甲陽軍鑑』品三十九より》

《図説『山鹿流兵法』第一章、第三章より》

《『ランチェスター思考II』一部六章、

              二部十一章より》

《『戦争論』第六編第二十五章より》

《『戦略論』第一部第三章より》




■退却先がなければ死力を尽くすのみ

どこにも退けないときは、退路をあえて断ち将兵に死力を尽くさせる

退ける場所があるときは逃げ延びようとの気持ちが出てしまう

包囲した側からすれば「一人でも多く道連れに」の精神が最も恐ろしい

そして粘り強く奮闘し、ひたすら起死回生の機を待つべきである

《『孫子』九変篇第八、九地篇第十一より》

《『六韜』虎韜の巻疾戦篇第三十三、必出篇第三十四より》

《『闘戦経』第二十一章より》

《『河陽兵庫之記』より》




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