指揮官篇(四):戦法

戦法




■少数なら機動力を活かした乱戦

数で劣っていたら相手に突撃して乱戦に持ち込む

相手に反撃の糸口を紡がせなければ勝機が生じることもある

とくに相手が陣形や戦法を変えてきた瞬間に生じる揺らぎにつけ込む

《『呉子』応変篇第五より》

《『司馬法』用衆篇第五より》

《『孫ピン兵法』上篇威王問より》

《『三十六計』第二十計より》

《図説『山鹿流兵法』第三章より》

《『五輪書』水之巻、火之巻より》

《『ランチェスター思考』各論九章より》




■ゲリラ戦

兵力が著しく劣るときは分散して埋伏する

機を見て集中しゲリラ戦で強者に精神的な損耗を強いる

ゲリラ戦の恐れがあるなら少数チームを広範に配置する

仕掛けてきたら包囲網を狭めて一気に殲滅すること

《『六韜』豹韜の巻少衆篇第四十九より》

《『諸葛亮集』将苑応機より》

《『戦国策』秦より》

《『闘戦経』第三十章より》

《『戦略論』第一部第八章、

      第四部第二十三章より》

《『戦争の変遷』第一章より》




■テロ活動

少数が国家を相手にするとき、相手の国民を人質にとって攻勢を封じる

テロ活動は三名以上ひと組でチームを作る

複数拠点で各人質をとっておけば即時全滅は避けられる

《『呉子』応変篇第五より》

《『戦争の変遷』第一章より》




■夜襲

体力・集中力は時間が経てば衰えていく

気を許している相手の不意を衝いて混乱に陥れること

さも日中に動くぞとチラつかせて警戒心を煽っておく

夜も更けて警戒が緩んだところを襲う

《『孫子』軍争篇第七より》

《『戦略論』第一部第三章、

      第三部第十六章より》




■大風

風が強いときは重量の軽い軽歩兵・騎馬が影響を受けて戦闘に難渋する

弓弩銃砲など遠距離攻撃できる射撃兵が多ければ攻撃の好機となる

こちらに射撃兵がいなければ戦わないほうがよい

乾燥していれば火攻めと混ぜて混乱を煽ること

《『孫ピン兵法』下篇十陣より》




■雨雪沼ぬかるみ

雨や雪が降ったり沼地で足元がぬかるんでいるなどのとき

機動力が削がれるので軽歩兵が活躍する

騎馬はまだしも戦車は移動に難渋して役に立たず各個撃破の的になる

相手に戦車が多いときはここに引きずり込んで働きを失わせるとよい

《『呉子』応変篇第五より》

《『六韜』豹韜の巻烏雲沢兵篇第四十八より》

《『孫ピン兵法』上篇威王問より》

《『五輪書』風之巻より》




■煙攻め

煙攻めは相手の視界を奪って索敵能力を潰し、行動を束縛する

その間に突撃兵を一直線に走らせたり砲火を集中させるとよい

《引用無し。西洋戦史に事例があります》




■火攻め

人・陣・兵糧庫・物資倉・資金源などを焼いて相手を弱体化させる

補給地・根拠地など戦場の設定や撤退路など、守りたがるところを焼く

火をかけても消されるおそれはある

火をつけて混乱したところを強襲し一気に殲滅すること

火をかけられたら、風下に火を放って焼け野原を作ってそこに布陣する

《『孫子』火攻篇第十二より》

《『六韜』虎韜の巻火戦篇第四十一より》

《『孫ピン兵法』上篇官一、

        下篇十陣より》

《『管子』七法より》

《『戦略論』第一部第三章より》




■水攻め

堰き止めた河川を決壊させて鉄砲水で攻める

現代では絨毯爆撃で拠点を薙ぎ払うのも水攻めといえる

こちらに被害が出ないため現代でも究極の術策とされる

ただし非戦闘員を無差別大量殺戮するので戦後統治と復興が至難となる

《『孫子』火攻篇第十二より》

《『管子』軽重、七法より》

《『韓非子』十過より》

《『戦略論』第三部第十八章、

      第四部第二十一章より》




■核兵器

水攻めに位置付けられる絨毯爆撃をさらに過酷にした兵器

破壊力が桁違いであり、放射線による被曝も厄介

大虐殺された側の反発を買い、戦後復興も遅々として進まない

核兵器を保有している国が一国のみであれば抑止力として効果がある

現在のように多くの国が保有していると、抑止力は喪失される

核兵器を発射すれば、核保有国から核を撃ち込まれることになる

威力こそ大きいが維持と抑止力にはすでに疑問が呈せられる

以下の「空城の計」のように核を持たないほうが平和を保ちやすい

《『戦争の変遷』第一章より》




■守りは空城の計

兵站をすべて撤収しあえて手薄に構える

相手が深慮なら警戒して近寄らず、浅慮なら攻めてくるので伏兵で叩く

弱卒の勢いで殲滅すればよいので準備さえしておけば必ず守り手が有利

大兵力で攻められたらそのまま明け渡す

相手が守備兵と兵隊を残して進軍すれば、実戦闘力を削げる

相手が仕掛けてきたら「非道」を世に訴えられるのも利点

《『三十六計』第三十二計より》

《図説『山鹿流兵法』第三章より》




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