概要
彼女の瞳の中では海と陸が混ざっていて、私はその瞳を見るのが好きだった。
誰もいない観客席で目を覚まし続ける女。
そして、必ずそこにいるもう死んでしまった彼女。
かつて、先輩と後輩という間柄にあった二人はあらゆる場所で出会い続ける。
白線に囲われた土地の中で繰り返される行為と会話。
女は考えている。
彼女はなぜ死んでしまったのか。
私達はなぜ長い間会えなかったのか。
そして、ここは一体どこなのか。
永久に訪れない日々と才能と感情。どこにもないどこかで会う女たちの、一生分の一瞬のお話。
そして、必ずそこにいるもう死んでしまった彼女。
かつて、先輩と後輩という間柄にあった二人はあらゆる場所で出会い続ける。
白線に囲われた土地の中で繰り返される行為と会話。
女は考えている。
彼女はなぜ死んでしまったのか。
私達はなぜ長い間会えなかったのか。
そして、ここは一体どこなのか。
永久に訪れない日々と才能と感情。どこにもないどこかで会う女たちの、一生分の一瞬のお話。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!コートの中の神様は、白線の外で私を待っていた。
コート。
線を跨いで外に出たらアウトで中に入ったらセーフ。
ただの線なのに意味を明確に区切る線。
その中で先輩は私の全てだった。
でも、先輩は私を置いてバレーを辞めた。
私を置いて、この世の線の外へ出て行ってしまった。
どうして。どうして――。
――――――――――
先輩と私(木島)の視点の対照。
先輩の才能と、木島の才能の対照。
白線の内と外の対照。
この小説の魅力は全て、この対照にあるのだと思う。
何度も、何度も読む。
すると、この対照が光ってくる。
コートの中の先輩を特等席に置いて、神様みたいに見上げる木島。
全てにおける才能を先輩より持っているくせに。木島は見上げるの…続きを読む - ★★★ Excellent!!!誰かに向けた、あいのうた。
しばらくこの小説をフォローしたまま放置していた。
僕も書いてるし、書いている時はあまりカクヨムの小説を読まない。そういう、いつかは読もうと思っているフォローしたままの小説がずっとマイページに溜まっていってしまう。
かこいち、きゅうてい、あいしあう。
かこいち、きゅうてい、あいしあう。
僕は犬怪さんのエッセイが好きでよく読んでるのだけど、読んでて一度涙が出そうになった事がある。それは仙台から埼玉に戻る途中の新幹線の中で読んだエッセイで、特に「悲しいこと」が書かれてる訳でもないエッセイだったのだけど、何故か胸に「クッ」とキて、涙目になってしまったのだ。東京方面に向かう新幹線の隣には僕の友達…続きを読む