概要
不審者と思われたその女性は、うららと同じく夜型生活の大学院生、鳥見川 氷彗でした。
彼女は研究棟の休憩室で、料理を作っていたのです。
流れで一緒にごはんを食べることになった2人は、それから少しずつ料理を通して仲良くなっていきます。
さて、今日の夜食は何でしょう?
・二人がご飯を作って食べるだけのお話です。
・ファンタジー要素はありません。
・幽霊、あやかし要素はありません。
・ミステリー要素はありません。
・二人がご飯を作って食べるだけのお話です。
また、科学的説明はあくまでスパイスです。
つまらなかったり、面倒くさければ、読み飛ばしてもらっても全然大丈夫です。
以上の点にご注意した上
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!料理の不思議にサイエンスで迫る。しっとり甘いクッキング系百合小説
名知大学・農理学研究棟では最近、「真夜中に刃物を持った不審者がうろついている」という目撃談が囁かれていた。
夜遅くまで研究作業を行っていた博士課程の大学院生・塔山うららは、カップラーメンに注ぐ湯を沸かそうと赴いた休憩室で、ものの見事に噂の不審者と鉢合わせてしまう。
ところが、不審者の正体は鳥見川氷彗という美少女だった。修士課程の一年生である氷彗もまた実験のため遅くまで研究棟に入り浸らねばならず、夜な夜な休憩室で料理を作っていたというのだ……。
――という導入で始まる百合・GL系の現代小説です。
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「なぜ、ハンバーグにパン粉は欠かせないのか」
「みりんを肉じゃがに入れる理由」
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こんな飯テロは、ありそうでなかった。
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普通の料理の中にも、科学的な作用が働いていると教わると、普通の料理も感慨深いものへと変わるも…続きを読む - ★★★ Excellent!!!飯テロ + 百合テロ + 化学テロ→心の空腹を感じたら、この一編!
うらら先輩や氷彗さんと近い境遇……とは、どこまで言っていいものか微妙ですが。
夜更けの研究室で、空腹と人恋しさに抗いつつ(百合を妄想しながら)種々のサンプルと格闘する生活を送っている学生の自分にとっては、至る所に刺さりまくりでした。プライマー相補性120%、深刻なリガンド過多。
まずですね、料理の科学的説明が圧倒的美味!
「あくまでスパイス」とのことですが、本格的に厳選され洗練されております。
自然科学に造詣のある人は「この料理とあの化学現象が繋がるのか!」と得心されるでしょうし、理科の苦手な人は「興味ないと思ってた科学も、知ってると面白そう!」と刺激されるでしょうし。
理系専攻のはずが化…続きを読む