百合は化学反応だ!

大学院の研究生である主人公は、夜型の生活が定着してしまった。
あるとき、同じような生活を送っているヒロインと出会う。

彼女は料理が得意で、食材に関する知識が豊富だった。

主人公は同じ食卓を囲むことに。


本作は、ただの飯テロ小説ではない。

「なぜ、ハンバーグにパン粉は欠かせないのか」
「みりんを肉じゃがに入れる理由」
「味噌が人体にもたらす作用」

など、科学知識に基づいた調理法のイロハを学べる。

こんな飯テロは、ありそうでなかった。

ただおいしい料理を作って美味しいというだけではない。
普通の料理の中にも、科学的な作用が働いていると教わると、普通の料理も感慨深いものへと変わるものだ。

ほんのりとした百合要素もすばらしい。
触れ合うたびに、ヒロインは主人公を意識するようになっていく。
名前で呼び合うのに時間がかかったりするところも、いじらしい。

周囲の人達も、どことなく百合雰囲気を放っていて、そこみ見どころである。

大学院生という設定を存分に活かした、科学飯テロなのである。

ただ一つだけ、不明な点が。
「百合+飯テロ+知恵袋が、どうしてこんなに萌えるのか」

ヒロインに聞いてみたいモノである。

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