研究棟の真夜中ごはん

作者 神岡鳥乃

飯テロ + 百合テロ + 化学テロ→心の空腹を感じたら、この一編!

  • ★★★ Excellent!!!

うらら先輩や氷彗さんと近い境遇……とは、どこまで言っていいものか微妙ですが。
夜更けの研究室で、空腹と人恋しさに抗いつつ(百合を妄想しながら)種々のサンプルと格闘する生活を送っている学生の自分にとっては、至る所に刺さりまくりでした。プライマー相補性120%、深刻なリガンド過多。

まずですね、料理の科学的説明が圧倒的美味!
「あくまでスパイス」とのことですが、本格的に厳選され洗練されております。
自然科学に造詣のある人は「この料理とあの化学現象が繋がるのか!」と得心されるでしょうし、理科の苦手な人は「興味ないと思ってた科学も、知ってると面白そう!」と刺激されるでしょうし。
理系専攻のはずが化学音痴である僕は「どっかで見たアレだ! おもしれー!」と毎回鷲掴みにされています。つまりは万人に面白い。

繰り広げられる会話にも、理系学部のリアルな空気を感じています。深夜に謎な遭遇をしたりとか。ドクターがやたら大変そうだったりとか。知り合いが実験に使ってるカエルが美味いらしいだとか。「10の3乗オーダー」みたいな言い回しをしてしまったりとか。キムワイプ卓球は……対戦相手がいない……ごほん。

ちなみに「実験が上手い人は、料理が美味い」という例は身近に知っています。僕はどっちもド下手ですが。

そして百合としても最高です。毎回PCR(Pretty Chain Reaction)掛かりまくりです。
うらら先輩の一挙一動に心が揺れまくりな氷彗さんがとにかく可愛くて、応援せずにはいられないです。大丈夫だよ氷彗さん、うらら先輩の心と胃袋は不可逆に掴まれてる……はず!
うらら先輩は、時折ぐいっと距離を詰めてくるのが堪らないです。それでいて、接近に無自覚気味なのが、こう色々と、非常に、心臓に来るのです。この先輩、後輩の心を揺らした責任を取ってくれるのでしょうか。

甘さと淡さが入り混じった両片想い、とでも言いましょうか。ふたりの今後、非常に楽しみにしております。

そんな魅力満載の本作、あなたの萌えの琴線と知的好奇心と摂食中枢をactivateすること間違いなしです。これは p < 0.001 くらいの確信です。
気になった今この瞬間こそが食べ頃、どうぞ召し上がれ!

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